5日目(7月4日 日曜日) |
目を覚ましたのは多分5時頃。 丁度日の出の時だったから、そんなもんでしょ。 とまぁこうやって日の出が見えるんだから雲は切れていたんだけど、海上は ずっと厚い雲に覆われている。 う〜む。 ま、とりあえず軽く朝飯を食ってからゴミを捨てに昨日と同じくセイコーマートまで 徒歩にて。 (ついでに新しく充電器を購入。 じつは昨日反応しなくなったのって、結構前に買ったヤツだったんでね。 その間に機種変更もしてたしって訳。 おかげで無事に携帯は復帰。 故障かも、と思っていたから安心したさ(笑)) 途中、地元の小学生が「おはようございます」と挨拶してきて驚いた。 すごいぞ、利尻島!!(笑) さて、キャンプ場に戻ってから撤収準備をのんびりとする。 どうやら明日は天気が比較的良さそうなんで、今日礼文に渡るから。 でも15時の便だからゆっくりと。 で、9時になった段階で最後の利尻島一周走行を。 しみじみ、のんびり、ゆっくりと。 途中昨日行かなかったミルピスの店に寄ってみたんだけど(後述参照) ドア開かないし。 つか、中を覗き込んでみると結構前に営業を終了した感じ。 残念だなぁ。 私にとってまさに「利尻の味」だったんだけど…… ともあれ最後に島を一周した。 もう思い残すことはない。 さぁ、行こう。 と、キャンプ場すぐ側にある沓形港に向かう。 時刻は未だ10:30頃。 予定は15時だったろ?って? 実はね、ここ「海底探勝船」があるんだ。 今までいろんなトコで海底探勝船を見かけて、その度に乗ってみたいと 思いつつ果たせなかった事。 今回は果たしてやろうと思ってさ。 ところが11時発の便は希望者がオレ一人だけらしくてね。 さすがにそりゃ船は出せねーよな(笑) もっとも人数によっては出ない事もあるって事をちゃんと表示しておけとは 思ったけどね。 次の12時発の便は団体の予約が入っているから確実に出ます、とは 言われたものの、この時点で12:35発の便で礼文に渡る気になっていた からね。 諦めた。 海底、ましてや北の海底ってどんなんだろうって興味は尽きなかったけど どうしてもって訳じゃないし。 それに正直、南のほうならともかく北だと、ねぇ。 なんとなくあまり綺麗じゃないかなってイメージもあってね。 ま、いいや、と。 そうと決めたら今度は昼飯。 ちかくの(正確には昔のフェリーターミナルの)食堂にいってお食事。 団体客とかち合って、ちょっと肩身の狭い思いをしたけどね。 ともあれ腹が満ちた後はターミナルへ戻り、乗船券の購入してから初めての ある経験をする。 それは「宿への予約の電話」(爆笑) ほら、今までのツーレポ読んでくれた人は知ってるだろうけど 「基本はキャンプ、宿は飛び込み」 な人だらさ(笑) したことなかったんだよ、予約って。 じゃ、なんで今回に限ってしたかというと、ね。 8時間コースを歩くため。 あぁ、別に宿を取らなくても8時間コースは歩けるよ、もちろん。 でも、ね。 礼文には桃岩荘、というユースホステルがあってさ。 そこに泊まって8時間コースを歩くと、帰って来たときヘルパーが宿の屋根に 登って踊りながら出迎えてくれるらしいんだよ。 しかも「愛とロマンの」8時間コースってのは桃岩荘の宿泊者が歩くことを 指すらしいんでね。 確実に泊まりたいから電話したわけです。 正直ドキドキしながら(笑)電話したんだけど、なんか通話状況が悪くてよく 聞き取れない。 色々「うちのルールはこうですよ」と説明してくれるんだけどね。 確実に分かったのは男女別相部屋・飲酒禁止・ミーティングがある、ぐらい。 他にも色々あるようだけど、よっぽどでなきゃ従いますんで(笑) ちなみに予約は今日明日の二泊。 明日歩いて明後日はキャンプに移行の予定。 「基本はキャンプ」な人だから、ね(笑) さ、無事に予約も済んだ。 これで安心してフェリーに乗れる。 っていうより電話中にフェリー到着。 すなわち電話終了後、すぐに乗船準備。 で、あっさり乗船、定刻出航。 徐々に遠ざかる利尻島。 目的を果たし、進む道を見失い、再び見つけた”夢の浮島” 「それは いつか みた 夢」 利尻島。 しばらく足を踏み入れることはないだろう。 でも、また、な。 そして初めまして”花の浮島”礼文島。 さぁ、この島には何がある!? そんな事を思いつつ船は順調に進み定刻通り13:15に入港。 下船後、まずは出迎えの為待機していると電話で言っていた船首のほうに 移動すると……見つけたよ、桃岩荘と書かれた青いトラックと旗を持った ヘルパーさん。 正直宿の場所くらい自分で探して行けるし、それが旅人ってもんだろ?とも 思っていたんだけど、折角そう言ってくれてるんだし、と。 そう思ってね、トラックの所に行ったんだけど第一声が「こんにちわ」でも 「いらっしゃい」でもなく「お帰りなさい」なのは戸惑った。 は?オレ初めて来たんだけど…… なんて思いつつも、でも「お帰りなさい」って言われるのって嬉しいね。 笑顔で「お世話になります」とすぐに言えたよ。 (もっともこれは「外れ」だけどね(笑)) さて、この出迎え。 ワタクシ一人の為ではありませんでした(笑) もう1便到着があって14時までここにいるとのこと。 そこでガソリンが心もとなかったのですぐ側のGSに。 日曜日だけど、運良く開いていて無事に給油してトラックの場所に戻るとなぜか 誰もいない。 しかしふと見るとこれから出航するフェリーの船尾付近で何人かがなんか叫んで 歌って踊っているし(笑) あぁ、そうか。 これがアノ噂に聞いた見送りか。 キャンプ場に移るとこれやってくれないんだろうなぁ。 ちぇ〜、なんて思いながらしばし見物させてもらいました。 で、この次にすぐフェリーが到着してこれで出迎えは一段落。 (そのフェリーの到着時にも旗を振って大きな声で叫んで出迎えていた) この時点でいる人は”超デラックス送迎車−ブルーサンダー号エース−” (注:普通のトラックの荷台に幌をかぶせたもの(笑))でユースに。 私はバイクだし、到着した時にヘルパーさんに色々と走りどころを教わって いたので軽く礼文を一回りへと。 (ちなみに荷物だけ先にユースに運んでくれたから凄く助かった) ユースの場所は聞いていたからね。 折角天気も良くなったし、ガソリンも満タンだし、と走り出したんだけど。 いっっっっやぁ。 美しい島だわ、礼文。 緑が本当に豊か。 特に島の北部にある(今は閉鎖されてる)礼文空港のある丘の道なんて最高。 そんな言葉が頭に浮かんだ。 空と海の青、丘の緑。 本当に美しい…… その感動の余韻を残したまま向かった次の”最北限の岬−スコトン岬−”も また凄いんだ。 目の前に蒼い海がブワ〜〜ッと広がる。 かつて屋久島で見たような海の色。 綺麗だ…… まさか最北限の島で南の島の海を思い起こすことになるとは想像もして いなかったよ。 繰り返すけど本当に綺麗だった。 他にも見所がいくつもあって非常に満足しながら桃岩荘に戻ったのは16時頃。 (ちなみに、この桃岩荘。 ニシン番屋を修繕・改修して使用しているので非常に味のある建物です。 外見はぱっと見プレハブみたいだけどね) 手続きを済ませた後で館内案内……というより説明かな(笑) 喫煙所や食堂などの位置。 飲酒禁止・食器は自分で洗う、館内での携帯禁止、などのルール。 それと起床・消灯や食事等スケジュールの説明。 ……の、ところで「桃岩時間」の説明が。 ここ桃岩荘というのは文字通り桃岩の側にあり、ここにくるにはトンネルを 抜けねばなりません。 そしてそのトンネルは「タイムトンネル」なのです。 故に時差が生じます。 現地時間(実時間の事)より30分早い時間が桃岩時間(通称「桃時」) 以降、桃岩荘に滞在中の時間はこの桃時を指しますのでお忘れ無く。 そんなちょっと普通とは違う説明を受けた後で「いろりの間」二階吹き抜け部分を ぐるりと囲む女人禁制の「回転ベット」へ。 なぜ「回転」なのかというと、文字通りぐるりと「回転」するから……かどうかは 自分の目で確かめてください。 男性のみ、ね(笑) 自分のベットの所に荷物を片づけて、食事まで時間があったので喫煙可能な いろりの間で一服しつつメモ書き。 しかし、どうやら他の人の会話を聞いていると早めに入らないとお風呂は厳しい らしい。 ので、さっそく「桃の湯」の混浴風呂に。 あ、ちなみに女風呂は別にありますので(笑) 「わ〜い、混浴だ〜」と浮かれながら(もちろん嘘)風呂に入ると、丁度出迎えの 時間が一緒だった二人の男性が先に入っていた。 (まぁ、すぐに気づいたのは私だけで、向こうは最初分からなかったらしいけどね。 なんで分かったかって? そりゃ、クマのぬいぐるみ抱えてる男はインパクトあったからねぇ(笑)) いや〜、なんか盛り上がっちゃったよ、風呂の中で(笑) やっぱ「裸のつきあい」ってヤツの力かな。 違うな。 ここ、桃岩荘の空気、だろうね。 どうもここに来てからテンション高い。 風呂場なのに、なんか酒屋で呑んで話してるような感じだったなぁ。 この後食事も一緒になって引き続き色々話しながら食べてたんだけど。 いきなり館内放送がかかる 「総員、戦闘配置につけ」 と。 戦闘配置?なにそれ? そう思う間もなく、数人のヘルパーが窓から続いている屋根の上に飛び出して 旗を振って大きく手を振って大声で歌い出す。 「おっかっえっりっなっさっい♪ちゃちゃちゃ♪おっかえっりっなっさっい〜♪」 ……そうか、これか! 8時間コースの出迎えだ!! 予想通りじきに数人が歩いて戻って来た。 ヘルパーにつられてオレも「おかえりなさ〜い」と手を振る。 驚いて窓の所に来た他の数人とともに、ね(笑) すると帰ってきた人たちも手を振りながら「ただいま〜〜」 いいなぁ、これ。 明日が楽しみだなぁ。 なんだかもう、どんどんテンションが上がってくる。 わははははは。 いぃぞう、ここ。 楽しすぎる。 ますます明日の期待がふくらむ食事が終わり、数名で分担して食器を洗って 「ピーチロック(食堂の事)」を後にした。 「いってらっしゃい」の声を背に受けてね。 あ、ここでちょっと説明しておくと、桃岩ではどこかに来た時は「ただいま」と”戻り” 「お帰りなさい」と迎え、どこかに行くときは「行って来ます」と”出かけ” 「行ってらっしゃい」と送ります。 宿泊しているときはユースの中にいても、外にいても、常に、です。 それが桃岩です。 食事が終わった後は再びいろりの間で一服しつつメモ書き……なんだけど。 結局他の人たちと色々話していてほとんど書けませんでした。 これはここに滞在している間中ずっとそうだったので、メモ自体がちょっと後に なって書いたので正確さは薄れているかも知れない、ってことも言っておきます。 さて、みんなと話しているうちに19:20。 いよいよミーティングの始まり。 今までミーティングってぽんぽん船(これ参照ね)でしか出たことなかったんで、 同じ感じかなって思ってたんだけど。 ぜんっっぜん違います(笑) ここ桃岩荘は今でも唯一残る「歌って踊るYH」 みんなで大笑いして、大きな声で歌って、一緒になって踊っちゃうんだぜ、イェ〜。 タイムトンネルで「知性・教養・羞恥心」を捨ててきたからだぜ、イヤッホー。 でも「理性」は捨ててないんだぜ、ウォンチュー。。 だから、しみじみともするんだぜ、ベイベー。 これは実際に体験しないと分からない楽しさだし、初めて行く人の楽しみを奪う 事にもなりかねないので、具体的な描写はしないけど。 すっっっっっっっっごい、楽しい。 戸惑っていたのは最初だけ。 全力なヘルパーさん達につられて、あっという間に染まってしまった。 ただ、この楽しさは万人が共通して分かるものではないって事は明言しときます。 多分激しくハマるか目一杯嫌うか、のどちらかになると思う。 これはミーティングに限らず、ここ桃岩の全てにおいて。 人は間違いなく選ぶので、もし行くことがあっても過剰に期待しないでね。 万人に勧められる所ではないって事はしつこいけど繰り返しときます。 オレ? 読んで分かるとおり、激ハマり(笑) 来て良かったわ(笑) ミーティング終了後は明日の4時間コース8時間コースの説明会。 ちなみに8時間コースというのは礼文島北端のスコトン岬からほぼ南端に位置 する桃岩荘まで徒歩で礼文島縦断するトレッキングコース。 4時間コースはその途中で終わるコースね。 実は利尻登山の影響で膝が痛いし、まだ筋肉痛だしで不安だったけど、明後日 以降は天気が崩れるからね。 明日参加することにした。 ちなみに明日は4時間が6人8時間6人の総勢12人。 で、なぜかそのリーダーを勤めることになりました。 「一番体力有りそうだから」ってヘルパーに指名されてね。 知っての通り、今まで登山は一回を除いて単独でしか行ったことないし、そもそも 人の上に立つのって苦手なんだけど。 せっかくの機会だからね。 それになにより桃岩にきてノリノリになってたしね(笑) 引き受けることにした。 説明会が終わっていろりの間に戻って少し話をするとすぐに消灯間際。 有無を言わさず消灯になるし、カウントダウンも始まるしで慌てて寝る準備をして 22:30に完全消灯。 明日に備えて眠りについたとさ。 本日までの総走行距離 不明 「ミルピス」について。 「最北端の手作り乳酸飲料」で、利尻島に唯一存在する牧場が製造、販売 している。 もっとも「店」と言っても普通の民家の一角で飲んだり休憩出来るといった感じで 決して大きくはなく、存在を知らなければ見逃してしまう。 「利尻に唯一あった牧場が閉鎖された」という噂を聞いたので、本当に無くなって しまった可能が高い。 返す返すも残念。 |