四日目(07/06)

 

07:15

起床。

かなりの強風。

なを、本日も天気予報はなはだ悪し。

もー好きにしてくれって感じ(T_T)

朝飯を食べてから片づけ及び撤収。

 

09:00頃

出発。

さて、本日の予定はというと昨夜決定。

取りあえず今回は前回見れなかった利尻を何が何でも見るってのが

唯一の目的なんで取りあえず北上すれば可。

んが、昨夜家から持ってきたツーリング雑誌を眺めてた所、時期がらか

北海道特集やってて。

で、それで神威岬と積丹岬は結構いいということを知ったので、ついでに

(ニセコ近くの)羊蹄山の辺りを抜け、そちらを回ってから小樽まで行こうかと。

とゆーことで、一旦西の方に向かってから海岸線を小樽までというのが

本日のルート。

しかし羊蹄は近づくにつれガスってきて、よく見える所まで来た時には

麓がぼんやり見える程度。

うぉのれ(T_T)

しかもこの辺りから霧雨→小雨→本降りと段々雨が降り出し、海岸線に

出る頃には風も強くなり、そりゃもう凄い事に。

強風に煽られ、レインウェア着てるのにお腹の辺りは浸みてきて、さらに

気温がちっとも上がらずこの時期なのに涼しいのでは無く寒い。

一体ナニしたってんだチクショウ(T_T)

この海岸線(地名で言うなら神恵内の辺り)は晴れてれば気分良く走れそうな

シーサイドラインで、しかも結構面白い形の岩なんかあるのに上記の状態

なんで走るだけで精一杯でございました。

(マウンテンゴリラの岩なんてのもあったんだけど、雨故に撮影不可能。

う〜む、残念)

 

12:30〜13:00

神恵内の道の駅で昼食。

ふぅ、落ち着いた。

 

13:30

なんとか無事に神威岬へ到着。

さて、それじゃ岬に行きますか……ってをひ。

なんでこの関所(ホントにそんな感じのがある(笑))は閉まってるんだよ。

え?

「強風の為通行禁止」?

わざわざ来たのになぁ……

しかし岬への遊歩道は狭く、両側が崖だから当然の事か。

天候には勝てんゆー訳で、そのまま引き返す。

と、その途中駐車場でずぶぬれになったキタキツネを発見。

おぉ、初めて生で見たなぁ。

しかしこいつら寄生虫が怖いんだよなぁ。

まぁともあれ、元気に生きろよ。

なんぞと呟きつつ駐輪所まで戻り、出発の準備。

するといつの間にか福岡ナンバーのゼルビスのライダーが隣に。

なに、先に到着してたみたいだったけど、姿が見えなかったのよ。

で、彼女の方から(女の子だった)話しかけて来てくれたんで、ちっとお話。

といっても天候の愚痴だったけどね(笑)

これから小樽に戻ると言ってたんで「んじゃまたどっかで」と挨拶して出発

(時間は不明)したんだけど、どうもおかしい。

すぐ後に出たらしくバックミラーに写ってたんだけど、それがずっとなのよ。

「さっきの道曲がれば小樽に近いのになぁ」

とか思ってたんだけど、すぐにその余裕は消える。

狭い道、キツイコーナー、濡れた路面、そして強風。

走るだけで必死だったからね。

それでもなんとか無事に積丹岬へ到着。

そしてゼルビスさんも間を置かずに到着。

「あれ?小樽に戻るんじゃ無かったの?」

「そうなんだけど、積丹も回りたかったから」

とまぁ、そんな感じで今度は私の方から話しかけて自然と一緒に見て回る事に。

まずは展望台もある灯台の近くに行ったんですが。

途中話のネタの一つとしてですね、

「いつまで北海道にいるの?」

と聞いたところですね。

「未定」

とまぁ、あっさり言ってのけまして。

「なんで〜〜?」

「いや、なんでって言われても……」

「ひょっとして仕事してないの?」

「未定にするために辞めたんですよ」

と続けてあっさり言ってのけられてですね。

思わず

「うぁ、なんかめっちゃ悔しいわ」

と素直な感想を言ってしまいましたね(笑)

チクショウ、本当に「女の子」なのに。

負けたぜ(T_T)

とまぁ、そんな事を話しながら4.5分坂道を登って到着したそこは

もんの凄まじい強風。

メット脱いでたから傘さしてたんだけど一本骨が折れてしまうほどの。

そんな状態なんで落ち着いて見るどころじゃなく、もちろん写真は不可能。

(というより到着した時からここでの撮影は諦めてた)

しかしですね。

一見どころか必見の価値がありましたよ、ここ。

天気が良い時にここのいい景色を見た事がある人は多いだろうけど、これだけ

荒れた時を見たのはそうそういないだろうなぁ。

でも希少価値でって言ってる訳じゃなく、スゲー迫力でね。

来て良かったなぁ、と。

……だからといって雨が悔しくない訳じゃないぞ(T_T)

とゆー訳で、二人して

「こーなったら良い天気の時リベンジ決めるしかないよね」

と言っていたのであった(笑)

次に向かったのは同じ場所にある島武意海岸。

ちなみに「日本の渚100選」の一つ。

その展望台は駐輪所からトンネルを通っていけばすぐに到着。

う〜む、いい眺めだ(注:相変わらずの荒天)

んが。

そこには下に下っていく階段がありまして。

そんなの見つけてしまったら行くしか無いでしょう、この状況でも!!

「行けるなら行けるところまで行く」という旅人の(?)性を持つが故に。

その子もその辺はしっかり持ち合わせたようで

「行けるなら行くしかないでしょう!!」

と言った私の言葉に

「ですよね」

と力強く肯き一緒に降りる。

そこそこ距離はあったんだけど、それだけの事はあったね。

相も変わらず雨が降り強い風の中なのに、しばし突っ立ち穏やかな時では

決して感じられない迫力を堪能する。

「うむ、余は満足じゃ」

「私も満足」

立ち去る前二人して言ってた台詞ダス。

写真が無いから具体的にどんな感じなのかを伝えるのは不可能だけど、

とにかく凄かったとだけは言っておきましょう。

駐輪場に戻ってこれから互いがどうするかをお話。

私はこの後小樽へ行って、この悪天候だしたまにはゆーことで宿を。

で、彼女は小樽にある温泉に入って泊めてもらってる札幌の友達の家に

行くとゆー事。

ナニ?小樽の温泉?(キラ〜ン)

そいつぁ、いい。

私もそこに行こうっと。

別に下心があった訳じゃ……ないとは言い切れないかな(笑)

彼女はそこに行くまでにある別の温泉にも惹かれてるようだったけど、結局当初の

予定通り小樽の温泉に行く事に。

んじゃ、どうせだからという事で、一緒に出発したのであった。

(なを、この時点で15:00頃)

 

16:30頃。

小樽にある温泉「湯の花」に到着。

いやぁ、女の子と一緒に温泉にはいるなんて初めてだなぁ(笑)

別に混浴じゃないけどさ。

……と、続かなかったんだな、これが(T_T)

途中で私の給油の為はぐれ、彼女と再び巡り会う事は無かったのであった。

(温泉から出る時にも彼女のバイクは無かった)

フラグ立て失敗したなぁ(をひ

しかしまぁ、雨が降り尚かつ気温が低い中走ってきた身に、温泉が気持ち良かった

から良しとするか。

 

17:20頃。

今夜の宿と勝手に決めた宿屋に向かって出発。

電話番号は分かっていたけど、もし駄目だったらキャンプ場に行けばいい

と思っていたので予約はなし。

ま、なんとかなるでしょ。

 

17:45

途中迷ったもののなんとか無事「とほ宿(マメ知識参照)・ぽんぽん船」に到着。

飛び込みだったけどまだ人数に余裕があったので泊めてもらえたダス。

そして到着して荷物降ろしてる時に、3人の先客が丁度ご飯を食べに出る

ところで、私も誘ってくれたんで一緒に行く事にする。

手続きを取っている間その3人は賭将棋(対象はビール一本)をしたりして

待っていてくれて、無事終わり片づいたところで歩きで出発。

向かった先は小樽運河の近くにある「とっぴー」と言う名の回転寿司屋。

ぽんぽん船で教わった店の一つなんだけど、これがほんっとに美味かった。

脂のせいでテラッテラしたトロやイクラやウニや(以下略)をがばがばと。

どれを食べても120円か220円と安いし遠慮なくいきましたね。

そして、最後のとどめとなったのがキングサーモン。

この値段なのにこんなに大きくて美味くていいのかってくらい。

具体的な大きさ言いましょうか。

シャリをね、一巻きできそうな大きさ。

これ、大マジです(笑)

で、笑ってしまうのが私たちがあまりに美味そうに喰ってるのを見て、羨ましく

なったのか隣、さらにまた隣まで同じの注文し出した事。

まるでウェーブのようで笑ってしまったなぁ(笑)

(ちなみに私、実は親父ドノが昔魚屋やってたんで魚関係うるさい人なんで

この辺は信用してくれていいデス。小樽いったら是非ここにいくが吉デス)

心ゆくまで寿司を堪能したあとで宿に帰還。

そのあとは順番にお風呂となった訳なんだけど(私は夕方入ったから入らなかった)

いささか唐突ではあるけど、ここで「何故この宿にしたのか」をちっと説明。

ま、ツーリングマップルに載ってたってのが理由ではあるんだけど、そこの説明文

「楽器がいっぱい」ってのに惹かれたのね。

で、その通りいろんな楽器があったし、夕方到着した時も二階からギターの

音がしてる、そんな所なわけです。

21時頃からみんなでミーティングっていうか言ってみれば親睦会のような

ものがあって、それまでみんな思い思いに。

その間私は船長(ぽんぽん船では宿主を船長と呼ぶ)のピアノの演奏聴いた

り他の客の演奏聴いたり話をしてたりしたんだけど。

(語弊があるかもしれないけど)ノリでわたくしブルースハープ(マメ知識参照

を購入&習う事になってですね。

もう一人と一緒に船長に教わったりもしてたんです、21時までの間。

ところがこのもう一人の男。

すなわち四犬(よんけん)がですね

「(さっき寿司を一緒に喰いに行った)4人でバンドを組んで、ミーティングの時

演奏しよう」

とか言い出してですね。

まさかなぁ、とか思っているうちに二犬もその気になったらしく、二人で二階に

いって打ち合わせはじめるし。

いくらなんでもついさっき習ったばかりなんだから、ホンキでハープを演奏させ

る気はないだろうと思ってたんですが。

甘かったです、見通し(笑)

しかしこの時の私はそのことを知るよしもなく、ひたすらおさらいしたり話したり

してたのでありました。

あと、この時「なまら蝦夷」(マメ知識参照)も買ったっけ。

 

21:00

ミーティング開始。

この日はかなり人が多く全部で12.3人いたのかな?

でも別に自己紹介はなし。

なぜか。

それはだね、ワトソン君。

この宿は宿帳のようなものに記入する時、ちょっとしたアンケートも一緒に

(というより同じ紙にアンケートもある)書いてだね。

それをもとに船長が紹介して、みんなにどんな旅をしてるのかを質問しつつ

互いを知り合うという事をしてるからなんだね。

わかったかね、ワトソン君(しつこい)

いや、いろんなヤツがいたねぇ。

無職で旅してるヤツが3名もいたり、北海道が気に入って住み着いた人まで

いたり。

(実は船長もその住み着いた一人)

ギター持って旅したり(二犬と四犬がそう)山に登る事を目的にしてたり、花の

写真にこだわってみたり。

色んなスタンスの旅をしてたね。

ちなみに私と同業。つまりゆーびんきょくいんが4.5人もいました(笑)

この時期長期間の休み取れる公務員なんて郵便局員ぐらいだけど。

なにもこんなに集まらなくたってねぇ(笑)

まぁ、そんな感じで挨拶(?)は済み、ビールやワインや日本酒やお茶を飲み

つつみんなでおしゃべり。

(注:誤解して欲しくはないんだけど、これは昔のユースのように強制ではなく

あくまで自由参加。

実際一人は挨拶が終わった段階で、疲れてるからゆーて寝てしまったし)

この時は馬鹿話ばかりしてたのかな。

そしてしばしのち。

いよいよ音楽発表会(爆笑)の開催。

ここのヘルパーがトップを切り、二犬、四犬と続きさらに(先にでた)北海道を

気に入って住み着いた人が、それぞれオリジナルをギター弾きつつ詠う。

それを聴きながらね、なんだかしみじみしてしまったなぁ。

みんな詩人なんだなって。

想いをフレーズに託して詠う。

オレだけじゃないんだなって嬉しくなった。

もっともオレは曲は作ってないけどね(笑)

聴いてたみんなもナニか感じてたようで、いい雰囲気だったんだけど。

え?マジでやるの?うちらのバンド。

しかもトリですか?(汗)

まぁ、半ば以上(本気である事を察して)覚悟してたけどさ。

打ち合わせ、聞いてねーんだよな(笑)

しかし何事も肝心はイキオイと度胸。

一発やりますか!!

とゆー訳でバンド”野良犬”急遽結成。

メンバー紹介、行きましょか(笑)

まずは一犬(リーダー)日本一周中のチャリダー。ボーカル担当。

次に二犬。同じく日本一周中の原付ライダー。ギター担当。

そしてわたくしこと三犬。ブルースハープ担当。

最後に四犬。闇のリーダー。東北一周のはずがいつの間にか北海道にいたをとこ。

ギター担当。ちなみに同業者(笑)

「ぼっくたっち、野良犬です〜♪」

で始まった、ろくな打ち合わせも無かった一発勝負。

ところが。

これがひっっっっっっっっじょうににいいできだった。

中心となったのは二犬と四犬ギターコンビ。

このコンビのギターが奏でる印象的な二つのコード。

「ブルースハープはフレーズでは無くリズム楽器」

という船長の言葉を守り、とにかくリズムを守る事だけ考えて、必死に吹いた私の

ハープのソロ。

「適当でいいから」

としか言われてなかったのに、アドリブでいい詩を詠ったリーダー。

全てが合わさり凄くいい物になった。

オリジナルで曲を作っている二人は「きっとめちゃくちゃになるだろうから」と

オチを考えていたらしいけど、その必要が全くない。

ホントにいい”これぞセッション”と言える演奏だった。

演奏が終わった時はちょっとした感動もんだったなぁ。

聴いてたみんなは褒めちぎってくれたし、メンバーも予想以上の出来に興奮状態。

握手を交わしあったり円陣組んじゃたりして大はしゃぎ。

そしてこの後の本当のトリをつとめた船長の歌がこれまた良かった。

小樽にはフェリーターミナルがあって、北海道を発つのは朝なんだけど。

それに乗って今まで旅していた北海道を離れる人を送る歌。

「朝陽」っていうタイトルなんだけど、いい旅をした者ならば分かる、そういう曲で。

私の場合北海道はまだこれからなのにちょっとしんみりしてしまったダス。

歌って……いいよな。

 

23:30頃

船長の曲が終わったところで、解散。

本来の消灯時間はもう少し早めらしいんだけど、今日は盛り上がったから延長。

24:30頃消灯って事にしてくれたんで、それまでまたしてもお話。

でもこの時はしんみりと。

「不思議だよなぁ。今日の昼間出逢ったメンバーでバンド組んで、しかもスゲー

良かったなんてなぁ」

「しかもオレ(D−R.J)の場合夕方で、しかも飛び込みだったしねぇ」

「ホント今日はいいメンバーが揃ったよなぁ」

なんて事話したり

「みんななんで、何を求めて旅してるんだろうね」

「死に場所だろ。いや、これは本気で」

「オレの場合は死に場所より、むしろ生きる目的っていうか……」

「アレじゃない、生きる場所じゃない?」

「そうそう、そんな感じ」

「でもきっと死に場所も生きる場所も同じ事だよね。裏表っていうかさ」

だとか

「旅人って一番純粋なヤツらなんだよな、きっと」

なんて事をみんなでしみじみとね。

話してたダス。

そして我ら(笑)野良犬のメンバーは

「またいつかどっかで集まってセッションしよーぜ」

という約束を交わし、私にしては珍しくというより初めてアドレスの交換もしたダス。

そういうわけで俺たちは小樽で急遽野良犬というバンドを結成し、演奏終了と同時に

解散し、再会を誓い再結成したのであった。

なんだろうねぇ(笑)

でも本当の本気で実現しような、野良犬の野郎共よ!!

少しは練習しとくからさ(笑)

 

24:30頃。

就寝。

たまたま選んだとほ宿での、素晴らしい出逢いに感謝しつつ。

明日はもう、それぞれがそれぞれの道を行く。

でもいつかきっと。

そんな事を考えつつ眠りについたのであった。

(本日までの総走行距離約1428q)

 

なを、余談(?)になりますが。

野良犬二犬はHPにて日本一周旅日記を公開してます。

もちろん野良犬ライブの時の日記もあるんで、興味のある方はここに行くが吉。

 

三日目に戻る  五日目を読む  戻る  トップに戻る