第24課:仮定法
24−0.はじめに
☆第23課では、エスペラントの命令文を学びました。命令文は動詞語尾を<−u>にかえて作りました。第24課では、仮定法を学びます。
24−1.仮定法
☆仮定法とは、実現の可能性のない事柄、あるいは、実現の可能性が少ない事柄、また、現実にはありえない事柄を表現するものです。
☆<−us>を語尾にもった動詞は、仮定を表わします。
○ | esti | 〜であること | 不定形 <-i> |
○ | estas | 〜である | 現在形 <-as> |
○ | estis | 〜であった | 過去形 <-is> |
○ | estos | 〜でありましょう | 未来形 <-os> |
○ | estu | 〜であれ | 命令形 <-u> |
○ | estus | (万一)〜であれば… | 仮定形 <-us> |
(1) Se mi estus birdo, mi povus flugi al vi.
(2) Se vi vizitus min, mi tre g^ojus.
(3) C^u mi povus peti vian helpon?
<単語>
se(もし)birdo(鳥)povi(〜できる)flugi(飛ぶ) al〜(〜へ)viziti(訪れる)tre(とても)g^oji(喜ぶ)
peti(たのむ)helpo(手助け)
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☆<se>は、<もし〜>という意味の、条件や仮定を表わす接続詞です。(1)の例では、現実に鳥であることはありえません。そこで動詞の仮定形が使われているのです。
○ Mi estas birdo. 私は鳥である。
○ Se mi estus birdo… もし私が鳥であったら…
(1) もし僕が鳥だったら、君の所に飛んで行けるのだが。
☆(2)の例では、話し手が、相手が来訪する可能性が少ないと思っている事がわかります。
(2)もしいらっしゃっていただければ、たいへん嬉しいのですが。
同じ文を、動詞の仮定形を使わずに、未来形で書けば:
○ Se vi vizitos min, mi tre g^ojos.
相手が来訪する可能性が、充分あることになります。仮定法の場合と同じ接続詞<se>が使われていますが、この場合には、仮定ではなく条件を表わすことになります。
☆(3)の例では、仮定法を使って、遠慮深い表現をしています。
○ Helpu min.
○ Bonvolu helpi min.
○ C^u vi helpos min?
などより、一層丁寧な(=もって回った、他人行儀な)表現になります。
(3)ちょっとお願いしてかまいませんか。
<問題53>********************************************************
次のエスペラント文を日本語にして下さい。
1. Se mi estus milionulo, mi povus havi mian propran domon.
2. Li parolas la japanan lingvon, kvazau~ li estus japano.
3. C^u mi rajtus demandi al vi?
<単語>
se〜(もし〜なら)milion-ul-o(百万長者)mi(私が) povi〜(〜できる)havi(持つ)mia
propra(私自身の) domo(家)li(彼は)paroli(話す)japana(日本の) lingvo(言葉)kvazau~〜(まるで〜のように)
japano(日本人)rajti〜(〜してよい)demandi(質問する) al〜(〜に)vi(あなた)
<問題54>********************************************************
次の日本文をエスペラントにして下さい。
1.もし僕が(mi)女(virino)なら、僕はあんな(tia)男(viro)を好きになら(ami)ない。
2.その(la)お菓子(kuko)を食べ(mang^i)てもいい(rajti)でしょうか
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第24課:正答例
☆★☆ 正答例 第24課 ☆★☆
<問題53>********************************************************
1. もし私が百万長者だったら、自分の家を持つことができるのに。
2. 彼は日本人であるかのように日本語を話します。
3. 質問してかまいませんか。
など。
<問題54>********************************************************
1. Se mi estus virino mi ne amus tian viron.
2. C^u mi ratus mang^i la kukon?
など。 ********************************************************************