第32課[1/2]:間接話法
32−0.はじめに
☆第31課では、従属接続詞<se, c^ar, kvankam, dum, g^is, kiam, antau~ ol, post kiam, apenau~, kvazau~>について勉強しました。それぞれ、条件・理由・逆接・時間・類比などの関係で文と文を結ぶ単語でした。
☆この課では、間接話法(文の中に文をうめこむ表現)を学びます。
☆この課は次の2つの部分に別れています。
第32課[1/2]:間接話法
第32課[2/2]:間接話法
32−1.間接話法
☆会話を「 」につつんで直接引用する直接話法に対して、会話を話し手が自分の立場で言い換える表現を間接話法といいます。
<直接話法の例>
○ 彼はたずねた。「あなたはエスペラントが話せますか。」
<間接話法の例>
○ 彼は、私がエスペラントを話せるかどうかたずねた。
☆会話の部分の文を他の文の一部にすると、人称代名詞などが変化すること<この場合には:あなたは→私は>に注意して下さい。
32−2. 主節+ke, c^u〜
[例文]−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○ Mi diris. "La libro ne estas interesa."
↓
(1) Mi diris, ke la libro ne estas interesa.
○ Mi demandis al mi. "C^u li estas sag^a?"
↓
(2) Mi demandis al mi, c^u li estas sag^a.
○ S^i ordonis. "(vi) Laboru diligente."
↓
(3) S^i ordonis, ke ni laboru diligente.
○ Li demandis. "C^u vi estas esperantisto?"
↓
(4) Li demandis, c^u mi estas esperantisto.
<単語>
diri(言う)libro(本)ne〜(〜ではない) interesa(おもしろい)ke
〜(〜ということを) demandi(たずねる)al〜(〜に)c^u〜(〜ですか?:〜かどうか)
sag^a(賢明な)ordoni(命ずる) labori(働く)diligente(勤勉に)ni(私たちは)
esperantisto(エスペランティスト)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
☆肯定文・否定文・命令文などは<ke〜>〔〜ということを〕でつなぎ、
<c^u>で始まる疑問文は直接この<c^u〜>〔〜かどうか〕で繋ぎます。これは、<c^u>が接続詞の働きを持っているためです。
☆エスペラントの間接話法では、英語の場合のような時制の一致(主節の動詞の時制に従節の動詞の時制を合せる)はありません。単語の配列も、特に変える必要はありません。日本語の発想と同じに、文をそのまま繋げばよいのです。
○ 私は言った。「その本は面白くない。」
(1) 私はその本が面白くないと言った。
○ 私は自問した。「彼は賢いのだろうか。」
(2) 私は、彼が賢いかどうか自問した。
○ 彼女は命じた。「一生懸命働きなさい。」
(3) 彼女は私たちに、(私たちが)一生懸命働くように命じた。
☆人称代名詞の変化に注意して下さい。ただし、この変化は、話されている内容を考えれば、常識的なものだとわかります。
○ Li demandis. "C^u vi estas esperantisto?"
↓ ↓
(4) Li demandis, c^u mi estas esperantisto.
○ 彼はたずねた。「あなたはエスペランティストですか。」
(4) 彼は、私がエスペランティストであるかどうかたずねた。
<問題84>********************************************************
次の二つの文を繋いで間接話法にして下さい。また、なおした文を日本語
にして下さい。
1. Mi opinias. "Esperanto estas utila lingvo."
2. Ili demandis. "C^u vi lernas Esperanton dum longa tempo?"
3. Li konfesis al mi. "Mi amas vin."
4. Ni deklaras. "C^iuj homoj sur la tero estas egalrajtaj."
<単語>
opinii〜(〜という意見である)utila(役にたつ)lingvo(言葉) ili(彼らは)demandi(たずねる)lerni(学ぶ)
dum〜(〜間)longa(長い)tempo(時間) konfesi(打明ける)ami(愛する)ni(私達は)
deklari(宣言する)c^iuj(全ての)homo(人間) sur〜(〜の上の)tero(地球)egal-rajta(同権の)
<問題85>********************************************************
エスペラント作文
1.私は、あなたをきっと幸せにすると誓います。
2.父は、私にこの本を読むように命じた。
3.彼は、私がコーヒーが好きかどうかたずねた。
<単語>
1.きっと(certe)幸せな(felic^a)する(fari)誓う(j^uri)
2.父(patro)私に(al mi)この(tiu c^i)本(libro)読む(legi)命じる(ordoni)
3.彼は(li)コーヒー(kafo)好き(ami)たずねる(demandi) ********************************************************************
第32課[2/2]:間接話法
32−3. 主節+疑問詞〜
[例文]−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○ Patro demandis al mi. "Kion vi studas en la universitato?"
↓
(5) Patro demandis al mi, kion mi studas en la universitato.
○ Ofte miaj najbaroj demandas. "Kial vi eklernis Esperanton?"
↓
(6) Ofte miaj najbaroj demandas, kial mi eklernis Esperanton.
○ Ni konsideris. "Kiam ni ekiros al Pollando?"
↓
(7) Ni konsideris, kiam ni ekiros al Pollando.
○ C^u vi scias? "Kiom da mono mi bezonas por ac^eti vorto-procedilon?"
↓
(8) C^u vi scias, kiom da mono mi bezonas por ac^eti vorto-procedilon?
<単語>
patro(父)demandi(たずねる)al〜(〜に) kio(何)studi(学ぶ:研究する)en〜(〜で)
universitato(大学)ofte(しばしば)najbaro(隣人) kial(なぜ)ek-lerni(学び始める)ni(私達は)
konsideri(考える)kiam(いつ)ekiri(出発する) al〜(〜へ)Pollando(国名:ポーランド)c^u〜(〜ですか?)
scii(知る)kiom da〜(どの位の〜)mono(お金) bezoni(必要とする)por〜(〜するために)
ac^eti(買う) vorto-procedilo(ワープロ)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
☆疑問詞で始まる文は、人称代名詞に注意して、そのまま繋げば良いのです。
○ Patro demandis al mi. "Kion vi studas en la universitato?"
↓ ↓
○ Patro demandis al mi, kion mi studas en la universitato.
○ Ofte miaj najbaroj demandas. "Kial vi eklernis Esperanton?"
↓ ↓
○ Ofte miaj najbaroj demandas, kial mi eklernis Esperanton.
☆疑問詞で始まる文を繋ぐ場合でも、エスペラントの間接話法は、英語の場合のように時制の一致(主節の動詞の時制に従節の動詞の時制を合わせる)を気にするはありません。単語の配列も、特に変える必要はありません。日本語の発想と同じに、文をそのまま繋げばよいのです。
☆人称代名詞の変化に注意して下さい。ただし、この変化は、話されている内容を考えれば、常識的なものだとわかります。
○ 父は私にきいた。「大学で何を学んでいるんだ」
(5) 父は私に、私が大学で何を学んでいるのかきいた。
○ 近所の人達はよくたずねます。「あなたはなぜエスペラントを学び始めたのですか」
(6) 近所の人達は、私がなぜエスペラントを学びはじめたのか、よくききます。
○ 私達は考えた。「(私達は)いつポーランドに出発しようか」
(7)私達は、(私達が)いつポーランドに出発するか考えた。
○ あなたは知ってますか。「(私が)ワープロを買うのにどの位お金がいりますか」
(8)(私が)ワープロを買うのにどの位お金がいるか(あなたは)知ってい
ますか。
☆間接話法のまとめ
○ 主節 + ke
○ 主節 + c^u
○ 主節 + 疑問詞
○ 動詞の時制は、日本語の発想と同じ。
○ 意味内容から考えて、人称代名詞の変化する場合があるので注意。
[参考] 間接話法の時制
☆エスペラントの間接話法の時制は、英語よりも日本語に似ています。
(日) 私は、その本が面白くないと言った。
↓
(エ) Mi diris, ke la libro ne estas interesa.
↓
(英) I said that the book wasn't interesting.
(日) 父は私に、大学で何を学んでいるかたずねた。
↓
(エ) Patro demandis al mi, kion mi studas en la universitato.
↓
(英) Father asked me what I was studying in the university.
☆上の2組の例のように、英語が主節の時制が過去の場合、従節の時制も過去や過去完了にするのに対して、エスペラントの場合、日本語と同じように現在形のままでかまいません。次の例文と比較して下さい。
(日) 父は私に、大学で何を学んだかたずねた。
↓
(エ) Patro demandis al mi, kion mi studis en la universitato.
↓
(英) Father asked me what I had studied in the university.
<問題86>********************************************************
次の2つの文を繋いで、間接疑問文にして下さい。また、なおした文を日本語にして下さい。
1. Li demandis. "Kiun pomon vi volas mang^i?"
2. Multaj homoj demandas. "Kia lingvo estas Esperanto?"
3. Mi ankorau~ ne decidis. "Kien mi iru?"
4. Mi ne scias. "Kies libro g^i estas?"
<単語>
demandi(たずねる)kiu〜(どの〜)pomo(りんご) voli〜(〜したい)mang^i(食べる)multa(多くの)
homo(人) kia〜(どんな〜) lingvo(言葉) ankorau~(まだ)decidi(決める)kien(どこへ)
iri(行く)scii(知る) kies〜(誰の〜) libro(本) g^i(それは)
<問題87>********************************************************
例文にならって、疑問詞を用いた間接話法の文を3つ作って下さい。簡単なものでけっこうです。
1.
2.
3.
第32課:正答例
☆★☆ 正答例 第32課 ☆★☆
<問題84>********************************************************
1. Mi opinias, ke Esperanto estas utila lingvo.
私はエスペラントが役に立つ言葉だと考えています。
2. Ili demandis, c^u mi lernas Esperanton dum longa tempo.
彼らは私が長いことエスペラントを学んでいるのかと尋ねた。
3. Li konfesis al mi, ke li amas min.
彼は私を愛していると私に打ち明けた。
4. Ni deklaras, ke c^iuj homoj sur la tero estas egalrajtaj.
我々はこの地球上のすべての人間は平等の権利があると宣言する。
<問題85>********************************************************
1. Mi j^uras, ke mi certe faros vin felic^a.
2. Patro ordonis, ke mi legu tiun c^i libron.
3. Li demandis, c^u mi amas kafon.
<問題86>********************************************************
1. Li demandis, kiun pomon mi volas mang^i.
彼は私がどの林檎が食べたいのかと尋ねた。
2. Multaj homoj demandas, kia lingvo estas Esperanto.
多くの人々がエスペラントとはどんな言語なのかと尋ねる。
3. Mi ankorau~ ne decidis, kien mi iru.
私はまだどこへ行くか決めなかった。
4. Mi ne scias, kies libro g^i estas.
私はそれが誰の本であるか知らない。
<問題87>********************************************************
必要があれば、講評します。「LERNEJO」に書込んで下さい。