第5課:動詞の時制
5−0.はじめに
☆第4課では、エスペラントの疑問文と否定文を学びました。疑問文が文頭に<c^u>を、否定文が否定すべき単語の前に<ne>を置けばよいことがわかりました。
☆この課では、過去や未来の表現を学びます。
5−1.動詞の時制(現在・過去・未来の表現)
例文−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(1) Mi lernas Esperanton. (現在)
(2) Mi lernis Esperanton. (過去)
(3) Mi lernos Esperanton. (未来)
<単語>
mi(私は) lernas(学んでいる)Esperanto(エスペラント) lernis(学んだ)lernos(学ぶつもりだ)
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☆<lerni>(学ぶ)という動詞は、<lern−><−i>という2つの部分(語幹と動詞不定形語尾)に分けられます。この<−i>の部分を<−is><−as><−os>に交換すれば、それぞれ、過去・現在・未来を表すことができます。他の文法事項と同様に、この規則にも(例えば英語の不規則動詞のような)例外はありません。
不定形 | 現在形 | 過去形 | 未来形 |
lerni 学ぶ | lernas | lernis | lernos |
paroli 話す | parolas | parolis | parolos |
esti 〜である | estas | estis | estos |
☆不定形語尾<−i>をつけた動詞にも文法的にきまった働きがありますが、これについては第6課で勉強します。
(1) 私はエスペラントを学んでいる。 (現在)
(2) 私はエスペラントを学んだ。 (過去)
(3) 私はエスペラントを学ぶつもりだ。(学ぶだろう)(未来)
☆エスペラントの時制には、英語のように進行形という特別の形はありません。現在形や過去形、未来形を、その動作が進行中の時にも使います。ですから:
○ Mi lernas Esperanton.
○ Mi lernis Esperanton. は、
「エスペラントを学ぶ:学んだ」という事実だけでなく、
「エスペラントを学んでいる:学んでいた」と、動作の継続も表す事ができます。
このうち、どちらの意味を取るかは、文中で使われている副詞や文の前後関係で決ってきます。
☆参考☆ 日本語の動詞の変化が、五段・上一段・下一段・カ行変格・サ行変格活用に分類されることや、英語の不規則変化動詞<go, went, gone>など(これらは使用頻度の高い重要な動詞ばかりでした)を思い起せば、エスペラントの動詞の変化がとても簡単であることがわかります。言葉の豊かさや表現力にとって、動詞の変化の不規則性や複雑さは、重要なものではありません。
<問題11>********************************************************
つぎの文を日本語にして下さい。その後で、過去形と未来形に書き直してください。
1. S^i estas felic^a.
2. Taro laboras diligente.
3. Ni konstruas grandan domon.
<単語>
s^i(彼女は)felic^a(幸福な)Taro(太郎) labori(働く)diligente(勤勉に)ni(私たちは)
konstrui(建てる) granda(大きな) domo(家)
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第5課:正答例
☆★☆ 正答例 第5課 ☆★☆
<問題11>********************************************************
<訳例>
1.彼女は幸福です。
2.太郎は勤勉に働きます。(働いています)
3.私たちは大きな家を建てています。(建てます)
1. S^i estas felic^a.
過去形 S^i estis felic^a.
未来形 S^i estos felic^a.
2. Taro laboras diligente.
過去形 Taro laboris diligente.
未来形 Taro laboros diligente.
3. Ni konstruas grandan domon.
過去形 Ni konstruis grandan domon.
未来形 Ni konstruos grandan domon.