第6課(1):副詞
6−0.はじめに
☆第5課では、動詞の時制を学びました。動詞の語尾を<−as><−is><−os>に付替えることで、現在、過去、未来の意味を作ることができ、エスペラントでは不規則な変化をする動詞がないことを知りました。
☆第6課では、エスペラントの副詞を勉強します。
☆この課は、つぎの2つに分れています。
第6課(1):副詞
第6課(2):品詞転換
6−1.副詞
☆副詞は動詞や形容詞、そして副詞自身を修飾する言葉です。語尾が<−e>で終わるものと、<−au~>などの形で終わるものがあります。
6−1−1.語尾が<−e>で終わる副詞
例文−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(1) Mi lernas Esperanton diligente.
(2) Mi lernis Esperanton fervore.
(3) Mi lernos Esperanton intensive.
(4) Keiko estas mirinde c^arma knabino.
(5) Taro kuras nekredeble rapide.
(6) Mi havas mirinde belajn florojn.
<単語>
mi(私は) lerni(学ぶ) Esperanto(エスペラント) diligente(勤勉に)
fervore(熱心に) intensive(集中して) Keiko(人名:恵子) esti(〜である)
mirinde(驚くほど) c^arma(魅力的な) knabino(少女) Taro(人名:太郎)
kuri(走る) nekredeble(信じられないほど) rapide(速く) bela(美しい)
floro(花)
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☆上の(1)〜(6)の例文の<diligente; fervore; intensive; nekredeble; rapide; mirinde>などは、語尾が<−e>で終っています。これは、この単語が副詞であることを示しています。意味はそれぞれ、<勤勉に、熱心に、集中的に>です。
☆(1)(2)(3)の例文では、それぞれの副詞が、<lerni>という動詞を修飾しています。(<lerni>の状態を説明している)
○ lernas (←)diligente 勤勉に (→)学ぶ
○ lernis (←)fervore 熱心に (→)学んだ
○ lernos (←)intensive 集中的に(→)学ぶだろう
☆副詞が動詞(動作や状態を表わす言葉)や形容詞や副詞自身をを修飾(詳しく述べる)することに注意して下さい。名詞を修飾するのは形容詞です。
○ diligente (→)lerni ○ 勤勉に(→)学ぶ
○ diligenta (→)lernanto ○ 勤勉な(→)生徒
× diligente (→)lernanto × 勤勉に(→)生徒?
× diligenta (→)lerni × 勤勉な(→)学ぶ?
☆(4)(5)は、副詞が形容詞と副詞を修飾する例文です。
(4)の<mirinde>は<c^arma>(形容詞)を、
(5)の<nekredeble>は<rapide>(副詞)を修飾しています。
○ mirinde (→)c^arma 驚くほど(→)可愛い
○ nekredeble (→)rapide 信じられないほど(→)速く
(4) 恵子はびっくりするほど可愛い女の子だ。
(5) 太郎は信じられないほど速く走る。
☆(6)の例文のように、副詞<−e>は、文中でのかかり具合がわかりやすいので、次に置かれる形容詞に連動して複数語尾<−j>や対格語尾<−n>をとることはありません。ですから、<mirindej; mirindejn>のような形になることはありません。
○ mirinde belaj floroj
○ mirinde belajn florojn
× mirindej belaj floroj
× mirindejn belajn florojn
(6) 私は驚くほど美しい花を持っている。
☆副詞の位置は、修飾される単語の前や文末が普通ですが、必ずそうしなければいけないというわけではありません。強調したい点やニュアンスによって変ります。意味を明確にするために、必要に応じてふさわしい位置に置けます。
<問題12>********************************************************
副詞に注意して、次のエスペラント文を日本語にして下さい。
1. Vi parolas Esperanton libere kaj flue.
2. Vi bone skribas alfabeton.
3. Mi energie laboras c^iutage.
<単語>
vi(あなたは) paroli(話す) libere(自由に) kaj (そして)flue(流暢に)
bone(上手に) skribi(書く)alfabeto(アルファベット)energie(精力的に)
labori(働く)c^iutage(毎日)
<問題13>********************************************************
次の文をエスペラント文にして下さい。語順<主語+動詞(+目的語)>に注意して下さい。( )はヒントです。
1.私は(mi) たくさん(multe) ビール(biero)を 飲ん(trinki)だ。
2.犬は(hundo) 速く(rapide) 走る(kuri)。
3.あなたは(vi) 巧みに(lerte) エスペラント(Esperanto)を 話す(paroli)。
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6−1−2.その他の副詞
☆エスペラントの副詞には語尾が<−e>で終わる副詞(派生副詞)の他に語尾が<−au~>などで終わる副詞(本来副詞)があります。
例文−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(7) Mi ludis gitaron hierau~.
(8) Taro jam prenis matenmang^on.
(9) Vi mang^as tro multe.
<単語>
mi(私は) ludi(弾く) gitaro(ギター) hierau~(昨日)jam(もう)
preni(とる) matenmang^o(朝食) mang^i(食べる)tro(あまりにも) multe(たくさん)
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☆数は限られていますが、副詞には、<−e>で終るもののほかに、<hierau~,jam,
tro …>などのように、固有の形を持つものがあります。語根に<−e>をつけて作る派生副詞に対して、これらを本来副詞とよびます。
(7) 私は昨日ギターを弾いた。
(8) 太郎はもう朝食をとった。
(9) 君は食べ過ぎる。
☆このような語尾が<−e>で終らない副詞にはつぎのものがあります。無理に暗記する必要はありません。実際の用例の中で憶えればよいのです。
ajn | (どんな〜でも) | almenau~ | (少なくとも) | ankorau~ | (なお) |
apenau~ | (かろうじて) | baldau~ | (間もなく) | c^i | (この<近接>) |
c^irkau~ | (約、およそ) | c^u | (〜ですか?) | do | (それでは) |
ec^ | (〜さえ) | for | (あちらへ) | hierau~ | (昨日) |
hodiau~ | (今日) | ja | (全く) | jam | (すでに) |
jen | (ほら) | j^us | (丁度〜したばかり) | kvazau~ | (まるで〜のように) |
mem | (〜自身) | morgau~ | (明日) | ne | (〜ではない) |
nun | (今、さて) | nur | (ただ〜だけ) | plej | (最も〜の…) |
pli | (より一層) | plu | (もっと) | preskau~ | (ほとんど) |
tamen | (しかしながら) | tre | (とても) | tro | (あまりにも〜しすぎる) |
tuj | (ただちに) |
副詞に注意して、つぎのエスペラント文を日本語にして下さい。
1. Nia laboro ankorau~ dau~ras.
2. Taro baldau~ eklernos Esperanton.
3. C^u vi jam finis korespondan kurson?
4. Mi parolas nur Esperanton.
<単語>
nia(私たちの) laboro(仕事) ankorau~(まだ) dau~ri(続く)baldau~(間もなく)eklerni(学び始める)
jam(もう) fini(終える)koresponda kurso(通信講座) mi(私は) paroli(話す)
nur(だけ) ********************************************************************
第6課(2):品詞転換
6−2.品詞転換
☆エスペラントの単語は、語尾で品詞が判別できることを学びました。
<−o> 名詞語尾
<−a> 形容詞語尾
<−e> 副詞語尾
<−i> 動詞不定形語尾
<−as> 動詞現在形語尾
<−is> 動詞過去形語尾
<−os> 動詞未来形語尾
paco 名詞 平和 <pac + o>
paca 形容詞 平和な <pac + a>
pace 副詞 平和に <pac + e>
paci 動詞 平和だ、(平和する?)<pac + i>
pluvo 名詞 雨 <pluv + o>
pluva 形容詞 雨の <pluv + a>
pluve 副詞 雨のように、(雨で?)<pluv + e>
pluvi 動詞 雨がふる <pluv + i>
☆上の表でわかるように、エスペラントの単語は、語幹<pac-, pluv->と語尾<-o, -a, -e, -i, -as, -is, -os>を合成して作れます。ですから、単語を様々に活用する事ができます。ただし、もちろん、作った単語に対応する物体や概念がないときには、使いません。(前後の文の文脈が必要とする時は、耳慣れない新造語を用いることがあります)
○ gitaro ギター
? gitari ギターする?
○ knabino 少女
? knabini 少女する?
☆本来副詞にも品詞語尾<-a, -i, -o>をつけて、合理的な範囲で形容詞や動詞や名詞を作ることができます。対応する意味がない場合には、その合成語は使えません。
○ hierau~ 昨日 (副詞)
○ hierau~a matenmang^o 昨日の朝食 (形容詞)
○ ne いいえ・〜ではない (副詞)
○ nei 否定する (動詞)
○ neo 否定 (名詞)
<問題15>********************************************************
つぎの1から5までの単語の語尾<-a, -o, -e, -i>を交換して、合理的な範囲で新しい単語を作ってください。また、その意味を日本語で書いて(あるいは説明して)ください。
また、6と7のエスペラント文を日本語にして下さい。
1. konversacio (会話)
2. korespondi (文通する)
3. kurag^a (勇敢な)
4. memoro (記憶)
5. ordoni (命ずる)
6. Mi ne neas vian opinion.
7. Ni esperas vian baldau~an resanig^on.
<単語>
mi(私は)ne〜(〜しない)nei(否定する) via(あなたの)opinio(意見)ni(私達は)
esperi〜(〜を希望する)baldau~a(間もない)resanig^o(回復)
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第6課:正答例
☆★☆ 正答例 第6課 ☆★☆
<問題12>********************************************************
<訳例>
1. あなたはエスペラントを自由に、かつ流暢に話します。
2. あなたはアルファベットを上手に書きます。
3. 私は毎日精力的に働きます。
<問題13>********************************************************
1. Mi trinkis bieron multe.
1. Mi multe trinkis bieron.
2. Hundo kuras rapide.
2. Hundo rapide kuras.
3. Vi parolas esperanton lerte.
3. Vi lerte parolas esperanton. など。
副詞を次のような位置におく事もできますが、すこし不自然な印象を受けます。副詞が名詞の前に置かれているので違和感があるのかも知れません。
△ 1. Mi trinkis multe bieron.
△ 3. Vi parolas lerte Esperanton.
<問題14>********************************************************
<訳例>
1.私たちの仕事はまだ続きます。
2.太郎はもうすぐエスペラントを学び始めるでしょう。
3.あなたはもう通信講座を終わったのですか。
4.私はエスペラントだけ話します。
<問題15>********************************************************
<日本語訳は例>
1. konversacio --> konversacia(会話の)
(会話) --> konversacie(会話で)
--> konversacii(会話する)
2. korespondi --> korespondo(文通)
(文通する) --> koresponda(文通の)
--> koresponde(文通で)
3. kurag^a --> kurag^o(勇気)
(勇敢な) --> kurag^e(勇敢に)
--> kurag^i(敢行する:あえて〜する)
4. memoro --> memori(覚える)
(記憶) --> memora(記念の)
--> memore(記念して)
5. ordoni --> ordono(命令)
(命ずる) --> ordona(命令の)
--> ordone(命令で)
6.私はあなたの意見を否定しません。
7.私はあなたがまもなく回復することを希望します。
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