地球語
エスペラント
Esperanto,
La Lingvo por la Tuta Homaro
1. エスペラントってなに?
1887年にポーランド (当時はロシア領) の眼科医ザメンホフ (Lazaro Ludoviko Zamenhof, 1859- 1917) によって考案された国際共通語です。
冠詞の格変化や動詞の不規則変化,発音上の不規則など,習得をさまたげる要素をできるかぎり捨て,基本文法を16ヶ条にまとめた世界一学びやすいことばです。
でも,暗号のような味気ない記号の体系ではありません。アルファベットにもとづく28個の文字を使った人間的なことばです。
民族語と同等の表現力をそなえ,人間の社会生活にまつわるあらゆる事柄を表現できます。
もちろん日本語や英語と同じく,話しことばとしても実用されています。
ユダヤ人として激しい民族間抗争と差別を体験したザメンホフは,ことばの壁や民族的偏見をのり越えて,人々が自由に,そして対等に交流するための中立言語の創造に生涯をかけました。
言語や文化の多様性は人類の宝ものです。エスペラントは民族語にとって代わろうとするものではありません。異なった母語を話す人どうしが意見を交換するための「橋わたしのことば」です。
それぞれの民族が,たがいに相手の言語,宗教,風習,文化を尊重しつつ意見を交換する。これを可能にする手段のひとつが国際共通語エスペラントです。
発表から一世紀以上を経て,百十数ヵ国全世界で約百万の人々がエスペラントを用いて,旅行や文通,無線通信,メールの交換を楽しんでいます。年間数百点にのぼるエスペラント図書が出版され,定期刊行物も数十を数えます。
毎年一度行われる世界エスペラント大会には,世界中から数千もの人々が集まり,さまざまなテーマについてこのことばで語りあいます。世界エスペラント大会は,日本でもすでに2回,東京 (1964年第50回) と横浜 (2007年第92回) で開催されました。
2.どうして今エスペラントなの?
交通手段が目覚ましい進歩をとげ,外国旅行や海外出張,留学など,国境を越えた人々の交流があたりまえのことになりました。
大気圏を越えて人類が宇宙にまで視野を広げた今も,地上ではまだ戦争や民族抗争が絶えません。人類全体の生存をおびやかすような環境汚染や温暖化,そして投資・投機のグローバリゼーションがもたらす身の毛もよだつような貧困など,地球規模で対処しなければならない問題が山積みになっています。
そして,もはやこういう問題の解決を一握りの政治家にまかせきりにする時代は終わりました。
民衆どうしが交流し智恵を出しあうためには,通訳を介さずに使える共通のことばが必要です。
でも,そのことばが英語のような大国の民族語だとしたら,大きな差別が生まれます。
世界全体にかかわる問題の解決が,英語を母語とする人々にだけ有利に進められてはなりません。
母語が英語であるという理由だけで,特定の人々が利益や尊敬をえられる状態は不公平です。
どの民族にとっても公平で,習得しやすく,表現力に富んだことばが必要です。
だれのものでもないことば,だからこそみんなのことば「地球語」エスペラントが,この問題を解決します。
エスペラントについて詳しく知りたい方には,つぎの参考書をお勧めします。
「エスペラント」田中克彦著;岩波新書;2007年;220P;740円+税;言語学者である著者が,なぜエスペラントに肯定的な意見を持つに至ったか。
「国際語エスペラントへの招待」(財)日本エスペラント学会;2004年;32P;100円+税;エスペラントの現状を紹介するパンフレット。
「地球時代のことばエスペラント」土居智江子著;関西エスペラント連盟;2005年;800円+税;第1部はエスペラントの歴史と現状の紹介。第2部は,エスペラントの文法,やさしい読み物,単語集。
「エスペラントとグローバル化」タニヒロユキ著;日本エスペラント図書刊行会;2003年;171P;900円+税;グローバル化した今日の世界でのエスペラントの役割を「国際語」ではなく「民際語」という観点から探る。
「ことばへの権利」言語権研究会編;三元社;1999年;208P;2,200円+税;1998年秋に行われたシンポジウム「人権としての言語」の記録,関連論文,諸資料。
ザメンホフについて詳しく知りたい方には,つぎの参考書をお勧めします。
「エスペラントの父ザメンホフ」伊東三郎著;岩波新書;1997年(復刻版);240P;640円+税
「エスペラントの創始者ザメンホフ」M・ボールトン著,水野義明訳;新泉社;1993年;320P;1,900円+税;定評ある伝記の日本語訳。
「ザメンホフ通り」ザレスキ・ザメンホフ,ロマン・ドブジンスキ共著/青山徹,小林司,中村正美ほか訳;原書房;2005年;454P;2800円+税;ザメンホフの孫が,その祖父とエスペラントについて語る。
「ザメンホフ:世界共通語を創ったユダヤ人医師の物語」小林司著;原書房;2005年;298P;1,800円+税;中学生や高校生を対象とするザメンホフの伝記。大人にも読みごたえがある。
3. どんな役にたつの?
オランダに本部がある世界エスペラント協会の都市代表者網 (Delegita Reto:102ヵ国1735人/2009年現在) や,国際青年エスペラント機構の国際民宿網 (Pasporta Servo:世界約100ヵ国2000ヵ所/2009年現在)を利用すれば,現地の人と直接交流する手作りの旅を楽しむことができます。また,世界エスペラント大会参加旅行団など,国内のエスペラント団体が企画するツアーに参加すれば,学習を始めて間もない人もエスペラントの実用性を実感できます。
集中して勉強すれば,短期間で国際文通が始められます。(財)日本エスペラント学会や関西エスペラント連盟などの団体が,実費(500円程度)で世界各地の文通相手を紹介しています。
世界エスペラント協会が組織する専門分野別の代表者網 (Faka Delegia Reto:1309人/2009年現在) を利用すれば,世界各地のエスペランティストから情報が得られます。同じ趣味や関心・専門を持ったエスペランティストが,さまざまな専門団体をつくっています。
エスペラントについての,またエスペラントで書かれたホームページがたくさんあります。メール,チャット,スカイプ,ブログなどを用いた地球規模のコミュニケーションにはエスペラントがもってこいです。また,インターネットラジオ,インターネットテレビのエスペラント放送が行われています。2009年9月現在,エスペラント版ウィキペディアの項目は26万に達しています。
アマチュア無線を用いて外国のエスペランティストと交流することができます。また,短波放送 (ペキン,ワルシャワ,キューバなど) を聴くことができます。
民族語を整理して築かれたエスペラントの構造を学べば,言語一般についての理解が深まり,ほかの外国語を学ぶ方法が身につきます。また,記憶能力にあまり負担をかけないので,高齢者にも無理なく続けることができ,頭脳の老化防止に役だちます。
エスペラントの実用体験については,つぎの参考書をご紹介します。
「嵐の前の17日-中欧をたずねて」大西真一著;リベーロイ社;1998年;154P;800円+税;熟年夫婦のエスペラント旅日記。
「エスペラント国探訪」角谷英則著;名古屋エスペラントセンター;1995年;57P;500円+税;北欧中世史を研究する著者が,エスペラントを使って文献を集め,図書館を巡る。
「ソロバンと折り紙で3週間」田平正子著;リベーロイ社;1999年;109P;1,000円+税;ソロバンと折り紙を携えてポーランドを旅した主婦の旅行記。
「エスペラント散策記」広瀬香苗著;自費出版;2003年;266ページ;1,000円+税;エスペラントやザメンホフ,そして世界各地のエスペランチストとの交流をつづる。
「フランスのお城で夏休み」佐藤安子著;横浜エスペラント会;1990年;46P;700円+税;フランスのグレジョン城でのエスペラント夏季講習会に参加して得た国際交流体験記。
「ポントリブロイ双書」(財) 日本エスペラント学会;8P〜12P;1冊20円〜30円+税;「エスペラントの効用」「エスペラントでインターネット」「エスペラントの現在」「アマチュア無線で広がるエスペラントの世界」「国境を越えたNGO活動はエスペラントなしには始まらない」「エスペラントでものを集める」など。
4. どのように学ぶの?
全国各地のエスペラント会や学習サークルで講習会が行なわれています。開催情報は次のホームページに掲載されています:http://www2.tokai.or.jp/esperanto/e-kursoj.html
沼津エスペラント会が全国対象の通信講座を実施しています。問い合わせ先は4ページに載っています。
ネット上に無料の講座や辞書が掲載されています。日本語で学べるページを2つ紹介します。(1) レルヌ・ネット:http://ja.lernu.net/ (2) ネットワーカーに贈るエスペラント講座:http://www2.tokai.or.jp/esperanto/kurso/index.htm
カセット教材や参考書を用いて独習することもできます。
エスペラントの学習書や辞書は,つぎのものをお勧めします。
「はじめてのエスペラント」藤巻謙一著;(財)日本エスペラント学会;2008年;396P;2,200円+税;辞書なしでどんどん読み進められる独習教材。全国学校図書館協議会選定図書。別売CDは2,000円+税。
「20のポイントで学ぶ国際語・エスペラント」阪直著; (財) 日本エスペラント学会;2003年;32P;400円+税;文法を中心に,エスペラントの構造を分かりやすく解説。
「4時間で覚える地球語エスペラント」小林司・萩原洋子著;白水社;1995年;212P;2,400円+税;別売カセット2,140円;英語の知識を活用し,短時間でエスペラントを学ぶ。
「エクスプレス・エスペラント語 (CDつき)」安達信明著;白水社;2005年;141P;2,200円+税
「エスペラント小辞典」三宅史平編;大学書林;1965年;534P;3,800円+税;簡単な日本語エスペラント単語集と文法の要約も載っている。
「エスペラント日本語辞典」同辞典編集委員会編 (財) 日本エスペラント学会;2006年;1352P;6,000円+税;高度な学習辞典として編纂。
「日本語エスペラント辞典」宮本正男編;(財)日本エスペラント学会;1998年;1101P;4,800円+税;定評のある日本語エスペラント辞典。
5. 本はどうやって買うの?
大学書林や白水社,三元社,原書房の出版物は書店で購入できます。店頭に在庫がない場合は注文できます。エスペラント団体などが出版した図書は,発売元を「(財)日本エスペラント学会」として書店注文できます。お手元に届くまで少し時間がかかりますが,送料が不要です。
(財)日本エスペラント学会や関西エスペラント連盟は,このチラシに掲載されているすべての図書を通信販売しています。送料が必要ですが,すぐに入手できます。またこれらの団体は,図書カタログを無料で配布していますのでご請求ください。
アマゾンなどインターネット通販で手に入れることができる図書もあります。短期間で入手できます。また注文総額によっては送料が不要な場合があります。
日本エスペラント大会や,各地で行なわれる地方大会,合宿,セミナーに参加すれば,各団体の出す売店で,実物を確かめてから図書を購入できます。なお,(財)日本エスペラント学会と関西エスペラント連盟の事務所では,エスペラント図書を展示販売しています。
6.もっと詳しく知りたい時は?
つぎのようなキーワードをインターネットで検索すると,さらに詳しい情報を得ることができます。「JEI」「KLEG」「エスペラント」「エスペラント学習」「エスペラント講習会」「エスペラント通信講座」「日本エスペラント大会」「エスペラント図書カタログ」
つぎにあげる団体には専従者がいるので,電話での問い合せに応じることができます。どうぞご遠慮なく。郵便でのお問い合せの際は,80円切手をはった返信用封筒を同封してください。
(財)日本エスペラント学会 (日・月・祝祭日をのぞく10時から18時まで):162-0042 新宿区早稲田町12-3;電話 03-3203-4581;fax 03-3203-4582;メール esperanto@jei.or.jp;ホームページ http://www.jei.or.jp/
関西エスペラント連盟 (日・祝祭日をのぞく10時から17時まで):561-0802 豊中市曽根東町1-11-46-204;電話 06-6841-1928;fax 06-6481-1955;ホームページ http://kleg.jp
エスペラント普及会 (土・日・祝祭日をのぞく9時から17時まで):621-8686 亀岡市天恩郷;電話 0771-22-5561;fax 0771-25-0061;メール oficejo@epa.jp;ホームページ http://www.epa.jp/ja/
沼津エスペラント会 (年中無休。ただし,たまに留守のことがあります。また電話とファックスでの問い合わせは8時から21時までにお願いします):410-0012 沼津市岡一色 501;電話+fax 055-922-3783; メール esperanto@thn.ne.jp;ホームページ http://www2.tokai.or.jp/esperanto/
地球語エスペラント2009年10月版/リンク自由/制作:沼津エスペラント会