第14回  静岡の(プロ)サッカーはシーズンオフ?
 セリエAも終わり、リーガ・エスパニョーラも終わり、残すところJリーグ1stステージだけになった。が、つまらない!というかシーズンオフという気分である。なぜかといえば、静岡勢が不振だからである。ただそれだけで、こんなにつまらなくなるものだとは・・・すっかり忘れていた。

 ここで、気が早いが1stステージの静岡勢の戦いについて分析してみたい。

 まずは両チームに言えることだが、アジアでの戦いと並行した疲れというのが第1に挙げられる。特にダメージを受けたのはエスパルスである。カップウイナーズ優勝後、その余力で勝ち続けてはいたが、今月に入って一気にそのつけが来た。主力のけが人が連続したというのも同じ理由からであろう。
 しかし、これはあらかじめ予測できたことである。多くの戦力を保持できない経営の問題は確かにあるが、それだけが問題ではない。レギュラーをほぼ固定したペリマンにも責任の一端はあるように思う。エスパルスには、レギュラーには少々劣るが、Jリーグで充分にやっていける能力を持つ選手がたくさんいる。そういった選手をはじめから上手に使い回していれば、多少のリスクは伴うものの、チームの底上げにはなったと思う。せっかく2ステージ制で、特に前期は日程的にも苦しいのだから、なおのこと将来を見据えた決断をして欲しかった。こういった決断をしないと、Jリーグ初期活躍したヴェルディや、アントラーズの現在のような状態が、近いうちにエスパルスに来るのは目に見えている。昨年後期優勝だからこそ、そういった手を打って欲しかったと思う。特に、真田は休ませてあげたい。
 内容に関しては、FWの得点力のなさが全てだったように思う。安永、久保山、ファビーニョと、駒は揃った。が、それぞれが同じ問題を抱えている。チャンスの時の決定力というよりシュート力である。プレッシャーのない場面でのシュートなど、1試合に1回あればいい方である。ということは、プレッシャーの中でゴールを決めなくては、得点は取れないということになる。しかしこの3人は(3人だけではないが)とにかくシュートが枠に飛ばない。これは練習不足の何者でもないように思う。彼らにはたくさん練習して、ゴールすることを体で覚えて欲しい。もし練習しているのであれば、もっともっと練習して欲しい。気持ちを入れてやれば、やるだけうまくなるはずである。けがのこともあるだろうが、頑張って欲しい。FWを職業にしているのだから。
 もう一つ気になったのが、攻撃の際に数的優位を作れないことである。DFからのフィードもいいが、もっともっと中盤から組み立てること、中盤が最前線まで飛び出すことが必要だと思う。現在の中盤真ん中3人は、バランスはいいかもしれないが、もう少し役割をはっきりさせた方がいいようにも思う。そこで提案だが、攻撃に専念する”トップ下”というポジションを作っても良いのではないかと思う。そこには伊東または平松を入れたい。澤登は中盤の真ん中の真ん中、ゲームメーカーがいい。ボランチはサントスまたは戸田(または大榎)あたりか。中盤がもっと生き生きしてくれば、エスパルスはもっと良くなるように思う。

 さてジュビロだが、こちらは監督が替わりチームが新たに変化しようとしている中での戦いであり、優勝を逃したのも仕方ないように思う。1stステージで手応えをつかみかけており、2ndステージではさらに上昇してくると思う。怖いのは主力のけがくらいだが、サブもしっかりしている。複数のけが人さえでなければ、優勝する可能性はエスパルスより高いと思う。

 今年も静岡ダービーでチャンピオンシップ・・・とはいかなくなったが、2ndステージも首位争いすることを期待したい。
 それを占う上でも、今週末のダービーが楽しみである。

 (2000.5.23)