第2回 | 日韓戦・韓日戦を見て |
2連勝という結果は、これから始まるオリンピック最終予選におおいに期待を持たせてくれた。韓国とは、A代表だけでなくワールドユース準優勝のU−18でさえ勝てなかった、(同レベルと思われる中では)日本の最も苦手とする相手だけに、素晴らしい結果である。この後に控える最終予選の相手であるカザフスタン・タイは、多分韓国より格下と思われる。日本が普段通りの力を出せば、多分大丈夫であろう。しかし、’94アメリカW杯最終予選も’98フランスW杯最終予選も同じようなことを言われていただけに、安心は出来ない。この年代が今までの代表と違うところを、是非見せてもらいたいと思う。 ここで、今巷で取り上げられている『A代表とオリンピック代表のどちらが強いか』という問いについて考えてみたい。 私の結論から言うと、この問い自体ナンセンスであると言いたい。比べてどうというものでもないし、オリンピック代表の方が強ければ、そのままA代表にすればいいだけのことである。そうしても多分、結果は今年のA代表と変わらないであろう。当然のことながら、オリンピック代表の数人が昇格し今のA代表と混ざるのが一番良いに決まっている。
有名な話だが、トルシエ監督のノルマは、オリンピック出場である。トルシエ監督はA代表の監督として招聘されたはずである。ここの矛盾点に気づかない、あるいは知っていて放ったらかしの上層部の考え方には首を傾げたくならざるを得ない。これからW杯を開催する国、サッカー先進国に近づこうとしている国のすることではないと言いたい。一番怖いのは、まだ何も知らない人(若者)たちが今の状況が正しいと思ってしまうことである。サッカーの強い国、サッカーが浸透している国というのは、一番初めに強いA代表がいて、それを目指す若者がいるという図式が成り立っている。ここをはき違えるようなことだけはやめてほしい。今の選手たちがそうだと言っているのではない。ただ、そう思わせても仕方のない報道が多すぎることにいらだちを覚える今日この頃である。
(1999.9.29) |