劇団四季「クレイジー・フォー・ユー」 静岡公演 8/11 マチネ やっぱ一度は行かなくちゃね、な静岡ロングラン公演! 三度目になるのかな? な今回はクレイジー・フォー・ユーでした。オペラ座、CATSに較べると知名度低いなーと思っていたら、無理せず中ホールでした。オケないのに加えて席がよかった(3列目)ってのもあって、珍しくオペラグラス使わず鑑賞。視界が広かったので、演技と歌とタップダンスが織り成す世界との一体感を存分に味わうことができました。 テンポよくて明るくて、周りも笑いながら観てるから自分も遠慮なく笑って見える、そんな舞台だったと思います。。大人から子供まで、誰が見ても楽しめる作品。表情の作り方、腕や足の動き、ひとつひとつが笑いをとるように計算され、訓練されて作り上げられている感じがしました。銃の撃ち合いもどきとかアクションも沢山だし、ダンスシーンもいっぱい。話とか考えず観ているだけでも楽しくなれます。お話はシンプルで、結構適当というか唐突な感じもしたのだけど、だからこそテンポやダンスのシーンが生きていたのかもしれない。筋道立てて考えてもどうせ無駄なので、かえって頭使わずに楽しい動きを見ることに集中できたっ。家族で見るのによさそーだけど、随所に楽しくなる恋を歌う場面が出てくるしってことでカップルにもお勧め♪ 明るいラブコメディバンザイ!
ファントム 村 俊英さん クリスティーヌ 高木美果さん ラウル 佐野正幸さん わー、劇場が、世界を醸し出してる〜っ、とまず舞台装置に目を奪われました。あと演出も素晴らしい! 一番びっくりした演出は、幕の上(なんていうんだろ…)にファントムが出現したこと。声はすれでも姿は??? で、上(というか正面…)を見たら、ファントムが! あれ、下のほうからじゃ見れないよねぇ。シャンデリアも客席から舞台に向かって落ちてくし。まさに劇場全体を使っての芝居。すごーいっ。 あと、特にいいなーと思った演出は、地下室にボートで下りてくるとこ。おお、長い距離移動して地下に来ているってのがばっちりわかる〜。距離感の出し方とかボートが動くスピードがほどよくて、それらしかった。ラスト、遠くでささやくように愛の歌を歌い(綺麗に静に歌うからより残酷さが増すんだーっ)、去っていくクリスとラウルを観た時、そしてそれを見て姿を消すファントムの切ないことったら。ああああああ〜、とこの時はじめてファントムってすごーくかわいそうと思いました。立ち姿、動作から、哀しさが溢れてた。私どちらかというとラウル派なんですけども、ラストの印象が強くて、ファントム贔屓になりそー。村さんファントム渋い。素顔はそれなりに醜いおじさんで、仮面つけてるとそれなりにカッコよかった。さいごは、静かに、しかしずっしりと来ましたとも。このまま仮面見つけたメグと恋に落ちればいいのに、とかふざけたことを思ってました。 映画版観ても思ってたんだけどファントム、若い子狙いすぎだよなー。美男子か否か、以前の問題な気がする。マダム・ジリーのほうが歳合いそうなのに。これだけ思われてるんだからクリスも振り向いてあげればいいのにーとは思うんだけど、大抵の女性は親子ほどの歳の差ある相手って、恋愛、結婚相手としては倦厭する気がする。財産も才能も愛も溢れるほどあっても、日が当たらない生活になるしさ。つか、もークリスティーヌって、そういう女の醜い面、露骨に現れすぎなキャラだよね。それまで乗り気だったのに、顔みた途端露骨に態度変わるし。でもファントムも男の女性に対する希望現れすぎー。綺麗で若くて才能、それも自分が育てた=自分の下における才能がある子がいいんでしょう……。かなりお互いさまよね。うーん、オペラ座ってつくづく男女の真実をついた作品。汚い部分と綺麗な部分両方ねー。 クリスティーヌの高木さんは声が甘すぎず、やや低めだけど低すぎず、で渋い(女性に褒める言葉ですか、これ…)感じにいいお声だったと思う。最初、どこにいるかわからないくらい地味だった気がするんだけど、スィンク・オブ・ミーが盛り上るあたりから急速に光り出し、中盤以降は見失うことなかったです。劇中劇の男装シーンが可愛いかった。可愛かったといえばメグ。私は何故かメグが好きでございます。そんなワケで序盤からクリスの隣にいて、ずっと心配している彼女を見て何となく嬉しくなっておりました。手を握って励ましたりね、クリスが行方不明になったら自ら地下に入ろうとしたりね。最後にも印象的なカットがあるし、嬉しいなー。
見所沢山で一度で見切れなーい。また観たい! と見終わった後力いっぱい思った。他の役者さんでも観たいし、何より舞台の近くで観てみたい。オペラ座のお客になったような一体感がありそう。でも席とるのめちゃ難しそうね。つか、しばらく吸血鬼のために観劇控えめにします。ってことで、リピートはいつになるかなぁ。でもいつか、きっと。 心を洗うミュージカル「赤毛のアン」 05/8/18 名古屋市民会館 若作り三十路コンビが贈る15歳の二人の物語(笑)。 まあ、そんなこんなで、可愛い役な泉見さんをたっぷり堪能できました。いきなり「ないすとぅーみゅーとぅゆー」は思わず笑った。アン曰く「初対面の女の子にウインクしてくるなんて……」え、ウインクしてた!? ちくしょー、見逃した。っと気をとり直して。話かける切欠欲しくてつい意地悪いっちゃうところ、ここも可愛く、そして笑った。「にんじんーーーっ」って、ああ、もっとも貴方おいくつーーーっと叫びたくてたまりませんでしたよ。前半はずーっと切ない顔してました。不器用ぶりが可愛い。あと、アンと手を握り合って恥ずかしくなってぱっと離れてるところとか、観てるこっちがこそばゆいですっ。あと、じりじりと距離詰めてくところとかも、歌いながらの演技だったのもあって、めちゃめちゃ泉見さん堪能できた。誤解が解けていって幸せかみ締める表情とか、横目でアンの反応覗うとことか、すんごい可愛いんだ。 っていってると、トモちゃん全然駄目だったみたいだけど、そんなことなかったですよ。アンは一人、周りとは違う娘。浮いているのは決して悪いことではないし。ギルバートも目立っていい役だしね。立ち居地(のっけから中央キープ♪)や服のせい(緑の靴下が忘れられん…)もあって目立ってたよ。トモちゃん、喜怒哀楽、特に喜、楽はかなり自然にいい感じに魅せてくれました。感情爆発ぶりがよかったし、ぶりぶりドレスやエプロンドレスも不思議なほど似合うし、天然な発言やわざとらしさも似合ってる。きゃはー、とか連発するところは、やりすぎかも〜と思わないでもなかったけど、地というか、普段TVとかでのキャラに近い華原アンとして仕上げたんだと思う。歌も、声は可愛いし、上手いといえば上手かった。華もあるし。びっくりしたのは、台詞いっぱいな上、早口な台詞多いのに、噛まずに(ひやっとはしたけど、大きな失敗はなかった)言えていたこと。やるんじゃん、トモちゃんっ! それはともかく、赤毛に染めたのはいいけど、プリンになってるのがめちゃ気になったよ……っ。かつらじゃ駄目だったんでしょうかー。 他の役者さんでは宮内良さんが特によかった。メガネが似合う先生キャラって何か弱いんだよー。てか、演技も歌も巧いよね、この人。役にぴったり、舞台全体にも馴染んでた。何よりダンスが、とってもよかった。手足が長いこともあって、ひとつひとつのポーズが決まるんだ。さすが元歌のお兄さんだっ! お医者さん役も似合ってました。あとはマリラ役の山下清美さんとダイアナの中村友里子さんの元四季コンビも雰囲気から演技、歌まで、よかった。一人一人は、いい役者さんばかりだったと思います。全体的に、不揃いというか急ごしらえカンパニーな感じはしたのですが、そんなところも微笑ましくてよいと思える不思議な作品でした。プロじゃない子供が一生懸命何かやってるって、やっぱ可愛いし応援したくなります。何より子供と微笑んで歌い踊る泉見さんが可愛かったのでOK。少ない人数でよく舞台を成立させたなと思います。泉見さんがひっぱってってるような気がしました。……わかってます、それは踊るときの立ち居地(大抵中央v)による錯覚です。 個人的に惜しいと感じたのは舞台装置がちゃちかったこと。背面にどーんと置かれた遠めには油絵っぽくて見える風景画はよかったけどね。でも、手作りっぽさがあるのはいい。アンサンブルが背景や小道具をせこせこ片付けたりしている様子が学芸会っぽくて、微笑ましかった。あと、マイクの不調とか(歌お上手でない人のマイクがぷつぷつと切れたのがいたたまれなかった、演技はよかったんだけどなー)、ライトの不調を舞台上で調整していたのもひっくるめて、舞台の作りは今一歩かな。 カテコは大サービス。泉見さん壇上に下りてきて、近くのお客さん見てにっこり会釈。ぎゃあ、半径10mm以内に泉見さん! ああ、もうちょっとだけ近くなら……にっこりを……でも私を認識して欲しくはない。殆ど二次元の感覚で観ていたいんだろーな私は。
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