本日の一言   

2003/4/16

新「静岡市」の誕生!今後の市民気質は?

 新市を目指してのカウントダウンはついに最終日を迎えた。明日からは泣い
ても笑っても新「静岡市」の誕生である。従来の静岡市民はそのまま静岡市民
を語ればいいが、清水市民の場合は今後、静岡市民を名乗らなければならない
から少々戸惑いを覚えざるを得ない。勿論、これをよしとして割り切る人も多
いが、いまだに「余計なことをして」と不満を述べたりする人も少なくない。

 しかし、その決別をすべき2003年3月31日の夜は近づいた。
いわば静岡市民にとっては人口が47万余から70万余に規模を拡大する日で
あり、清水市民にとっては愛着のある23万余の独立市が吸収され、消え去る
日である。「対等合併だから一体になって誇りをもとう」という論理はわから
ぬわけではないが何か割り切れぬ感じでもつれ込むのが清水市民側であろう。

 「そんな感じを起こさせてはならない」とか、「そんな未練がましいことを
言ってはならない」、「もっと積極的にパーッと前進しよう」という意図があっ
たのかどうか、とにかく「新市・静岡の誕生記念祭」は開始寸前となった。
会場はグランシップの大ホールと日本平の2カ所で、日程はそれぞれ31日の
夕刻から翌朝の24:30分までの予定であった。

 因みに両会場のタイトルは「ハローNEWシズオカ カウントダウン・フェ
スティバルinグランシップ」と、「ルネッサンス静岡カウントダウン・フェス
ティバルin日本平」の2種類であった。前者は県下各地域からの音楽舞踊団
がお祝いに駆け付け、有名タレントのスペシャルライブも含まれていた。後者
はドリームキャンドルや花火大会など屋外にふさわしいイベントであった。

 私の場合は自分が「日本平夢の開発プラン」という本を発刊したことでもあ
り、本来は日本平へ行くべきかと思ったが、今回はJR静岡東駅に程近いグラ
ンシップの方へと出掛けることにした。既に日本平には原稿執筆のため何度も
登ったことでもあり、また、今回は静岡市の周辺都市の人々がどんな演出で取
り組むかを知っておきたい面もあったからだ。

  この会場は18:00頃に到着した。予め入場整理券は入手していたが「満
員の場合は入場をお断りする場合もありますので」と但し書きがあったため、
かつての同僚と共にやや早めにと出向いたのだ。
でも、夕食時を挟んでの入場であったためかさほどの混雑はなく、客は次第に
増え、やがてはちょうどよい人員に膨れ上がっていくという感じだった。

  さて、ここからの模様はひたすら各地のイベントを楽しむだけのことであっ
たので添付の写真をみてもらうことにしよう。次から次へと繰り広げられる華
やかな音楽と舞踊…これには感激するやら拍手を送るやらで、まさに楽しいひ
と時であった。時には江戸情緒豊かなゆったりした催事もあれば、現代風のテ
ンポの早い踊りもあった。威勢のいい掛け声も飛び交っていたりした。



  そんな中にあって「今の時代、果たしてこんなことをしていていいのだろう
か」という疑問がふと脳裏をかすめたりはした。世の中がリストラだ、不良債
権だ、税収不足だと沈鬱現象になっているところへこの賑々しいイベントが繰
り広げられているからだ。でも、出演者達の表情を見れば心の奥底から楽しん
でいる様子であり、わが国には不況を吹き飛ばす力が秘められた感じもした。



  そういえばもう一つの感想を得ようと、地域と祭り、特に音楽と舞踊に関し
て大変興味をもってステージを見つめたりした。地域の生活と気質が自分達に
フィットした音楽や舞踊を生み出す筈だったからである。近頃では各地とも東
京の作曲家や振付師に依頼し、似たようなものを作る時代になったが、「それ
でもどこか地域色の生かされる作品が出来る筈」という視点からであった。



  結果は案の定、各地の特色がそれなりには出ていたが、ここでは例え私見と
はいえ各地の祭事とその住民気質についての論評は差し控えることにしたい。
迂闊なことを述べることによってその地のアイデンティティを傷つけるわけに
はいかないし、歴史的背景などで見誤った判断をし、その地に迷惑をかけたり
するわけにはいかないからである。

  でも、これだけのことは言っておきたい、ということで、私の最近の新聞記
事をここに紹介することにした。これはひとことで言えば今までの静岡市と清
水市の市民気質が必ずしも一つではなかったため、今後は両市民が一体となっ
て、新たに自分達の望ましい気質像を描くべきではないかという提唱である。
都市間競争に強い静岡市を目指してである。




                                 ――― 2003−4月 記

 

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