Books Story
1みぞれ 2リビング 3ララピポ 4悪夢のエレベーター
5なぎさの媚薬(5) 6さつき断景 7ラストゲーム 899のなみだ
9悪夢の観覧車 10影武者徳川家康(1) 11影武者徳川家康(2) 12影武者徳川家康(3)
13悪夢のドライブ 14お腹召しませ 15天使のナイフ 16四十回のまばたき
17ママの狙撃銃 18脳は天才だ 19仕掛けられた罪 20なぎさの媚薬(6)


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みぞれ('08.08.08)★★★★☆
 タイトル:「みぞれ」
 サブタイトル:「みんな泣いて強くなる」
 著者:「重松 清」

 思春期の悩みを抱える十代。
 社会に出てはじめての挫折を味わう二十代。
 仕事や家族の悩みも複雑になってくる三十代。
 そして、生きる苦みを味わう四十代――。
 人生折々の機微を描いた短編小説集。

 幼なじみの少女が自殺未遂、戸惑いながら「死」と向き合う高校1年生の少年。
 結婚7年目、セッカチな夫に最近うんざりしてきた妻。
 子供がいないとつい言えなくて、一芝居うつ羽目に陥った夫婦。
 どちらかがリストラされる岐路に立たされた40歳の同期社員。
 晩年を迎えた父に、複雑な思いを抱く43歳の息子…。

リビング('08.08.08)★★★★☆
 タイトル:「リビング」
 サブタイトル:「隣の芝は青いか?」
 著者:「重松 清」

 ぼくたち夫婦は引っ越し運が悪い。
 今回の新居は完璧、だったはずなのに…
 ディンクスの夫婦は互いにぶつかりながら、隣家とまじわりながら、共に生きることを確かめあっていく。
 四季折々に紡がれた連作短篇『となりの花園』を縦糸に、いとおしい毎日のくらしを横糸に、カラフルに織りあげた12の物語集。

 ディンクスの夫婦の話が連作で、それ以外は単作。
 読み始めて、「あれっ、前に読んだことがある?」と思ったんですが、本棚にないし、このHPにも形跡はない。
 だけど、なんか記憶があるんだよな、なんか気持ちが悪いまま最後まで読んでみました。
 やっぱり読んだことあると思うんだが、気持ち悪い。

ララピポ('08.08.11)★★★★☆
 タイトル:「ララピポ」
 サブタイトル:「選りすぐりの負け犬たち」
 著者:「重松 清」

 対人恐怖症のフリーライター、杉山博(32歳)。
 NO!と言えないカラオケBOX店員、青柳光一(26歳)。
 AV・風俗専門のスカウトマン、栗野健治(23歳)。
 文芸コンプレックスの官能小説家、西郷寺敬次郎(52歳)。
 専業主婦にして一応AV女優、佐藤良枝(43歳)。
 デブ専裏DVD女優のテープリライター、玉木小百合(28歳)。
 選りすぐりの負け犬たち、ここに集合。最新爆笑小説。

 上の6人が微妙に絡み合うドタバタ劇。
 杉山と玉木は微妙な恋人、杉山と栗野は同じアパート、青柳は佐藤の家に放火、佐藤と栗野は仕事仲間、西郷寺は青柳の店の常連、玉木は西郷寺のテープライター。
 誰一人人生の成功者はいない、「おいしっかりしろよ!」と言いたい奴らのオンパレード。
 でも実は笑えない、社会の中で居場所を見つけることができず、孤独に生きる彼らとどれだけ違いがあるのだろうか。

悪夢のエレベーター('08.08.12)★★★☆☆
 タイトル:「悪夢のエレベーター」
 サブタイトル:「悪夢シリーズ」
 著者:「木下 半太」

 「突然、エレベーターが止まったんです」 メガネの男が、まるで他人事のように言った。
 ある日最悪の状況で、最悪の人たちと一緒にエレベーターに閉じ込められたら?
 まだまだ悪夢は終わらない!
 本とブログのパラレル小説。

 長さも短く会話のテンポもよいので、楽しく読めます。
 心に残る名作って感じではなく、少し時間が空いた時に、よい時間つぶしになる。
 悪夢の○○として、観覧車とドライブがあるそうです、また時間が空いた時に読んでみます。

なぎさの媚薬(5)('08.08.15)★★★★★
 タイトル:「なぎさの媚薬」
 サブタイトル:「霧の中のエリカ」
 著者:「重松 清」

 少年と少女の愛と自立を描く感動の青春小説。
 真面目で明るかった少女・エリカ。
 だが、中学2年の夏を境に彼女は変わる。
 髪を金髪にし、不良仲間とセックスに溺れる日々。
 そんな彼女の姿を密かに見つめていたのは、幼なじみの邦彦だった。
 高校入学直後に中退したエリカは、ある日、取り巻きの男たちに凌辱され命を失う。
 いったい何があったのか、なぜ、俺はエリカを救ってやれなかったのか……
 悔恨の情に暮れる邦彦。
 彼は「過去に戻れる薬」を持つ娼婦・なぎさの力を借り、中学2年のその日に帰る。
 エリカを救うために。
 運命に翻弄されながらも自立しようとする少年と少女の姿をエロティックに描く感動の青春小説。

 まさにエリカは中学2年生で堕ちていった。誰かに止めてもらいたいと思いながら。
 みんな何度も後ろを振り返りながら、できれば引き戻して欲しくて、でも振り返っても誰も見てくれていないから墜ちていく。
 おせっかいでも、うざくても、超キモくても、誰かが引き戻してあげなくてはいけない。
 娘を持つ親として読むのが辛い内容である、息子を持つ親として邦彦を心から応援した。

さつき断景('08.08.20)★★★☆☆
 タイトル:「さつき断景」
 サブタイトル:「1995〜2000」
 著者:「重松 清」

 1995年、1月阪神・淡路大震災、3月地下鉄サリン事件、そして5月1日―。
 神戸でのボランティア活動から帰京したタカユキ(15歳)は惰性としか思えない高校生活に疑問を感じていた。
 電車一本の差でサリン禍を免れたヤマグチさん(35歳)は、その後遺症ともいうべき自己喪失感に悩んでいた。
 長女が嫁ぐ日を迎えたアサダ氏(57歳)は、家族団楽最後の日をしみじみと実感していた…。
 そして96、97…2000年。
 三人は何を体験し、何を想い、いかに生きたのか。
 20世紀末6年間の「5月1日」からそれぞれの人生を照射した斬新なる試み。

 95年から00年までの実際の出来事(事件)を振り返りながら、3人の生活を描いている。
 悲しい事件だけでなく、プロ野球の話などもあり、「そうだったなぁ」と懐かしく思える話もある。
 ただ、タカユキ、ヤマグチ、アサダがなぜカタカナなのか?疑問である。
 また、3人の話はバラバラに展開し、最後には絡んでくるとばかり思っていたが、・・・そんなことはなかった。

ラストゲーム('08.08.21)★★★★☆
 タイトル:「ラストゲーム」
 サブタイトル:「最後の早慶戦」
 著者:「蒔田 陽平, 古田 求」

 1943年、太平洋戦争により学生たちも戦地に赴くことになった。
 彼らに生きた証を残してやりたいと切に願う早稲田大学の野球部顧問・飛田や慶應義塾大学塾長の小泉は、禁じられた野球――早慶戦開催に向けて動き出す。

 野球を愛し、戦争を憎む日本国民として、ラストゲームが開催されてよかったと思う。
 そして、今では自由に野球ができる日本を愛していかなければならない。

99のなみだ('08.08.23)★★★★★
 タイトル:「99のなみだ」
 サブタイトル:「涙がこころを癒す短篇小説集」
 著者:「リンダブックス編集部」

 幼くして逝った息子の病室を掃除する母親。
 息子が七夕の短冊に書いた願いとは…。
 母親の悲しみを描いた「七夕の雨」。
 自殺しようと学校の屋上に登った紗矢は、突然、知らない少女に声をかけられる。
 温かな希望に包まれる「屋上から」。
 深夜になっても帰らない痴呆症の祖父。
 優子は祖父の部屋にしまってあった子どもの頃の絵を見つけ…。
 家族の愛情を描いた「おかえりなさい」ほか。
 やさしい涙に包まれる12篇の短編小説集。

 確かに「お涙頂戴」である、書評も「いかにも泣いてください的でだめ」などのコメントもある。
 そんなよこしまな気持ちでなく、素直に読めば、電車の中などでは読まないほうが良いです。
 色々な主役がいるので、自分にフィット(感情移入)する話がきっとあるはずです。

悪夢の観覧車('08.08.28)★★★★☆
 タイトル:「悪夢の観覧車」
 サブタイトル:「悪夢シリーズ」
 著者:「木下 半太」

 手品が趣味のチンピラ・大二郎が、GWの大観覧車をジャックした。
 目的は、美人医師・ニーナの身代金。
 死角ゼロの観覧車上で、この誘拐は成功するのか!?
 謎が謎を呼ぶ、傑作サスペンス。

 元暗殺者の主婦、スリ師、別れさせ屋、死体掃除人などなど、現実離れした人が多く登場し、前作同様、ドタバタコメディーの路線は同じであるが。
 ただのドタバタ劇でもなく、大二郎の誘拐の動機などは非常に切なく悲しい。
 最後のほうの落ちも、前半の伏線がつながり、爽快だったり、やはり悲しかったり。
 次の悪夢シリーズも読みたくなる一冊です。

影武者徳川家康(1)('08.09.22)★★★★☆
 タイトル:「影武者徳川家康(上)」
 サブタイトル:「影武者」
 著者:「隆 慶一郎」

 慶長五年関ケ原。
 家康は島左近配下の武田忍びに暗殺された。
 家康の死が洩れると士気に影響する。
 このいくさに敗れては徳川家による天下統一もない。
 徳川陣営は苦肉の策として、影武者・世良田二郎三郎を家康に仕立てた。
 しかし、この影武者、只者ではなかった。
 かつて一向一揆で信長を射った「いくさ人」であり、十年の影武者生活で家康の兵法や思考法まで身につけていたのだ…。

 インターネットで「世良田二郎三郎」を検索すると、かなりの数がヒットする。
 中でも「WikiPedia」に「徳川家康の影武者説」として登録されていました。
 今回の隆慶一郎氏のように関が原で戦死だったり、大坂夏の陣で戦死だったり、いくつか説があるそうです。
 本書もあくまでも史書というより小説として読んでいます。

影武者徳川家康(2)('08.10.14)★★★★☆
 タイトル:「影武者徳川家康(中)」
 サブタイトル:「影武者」
 著者:「隆 慶一郎」

 関ケ原で見事な勝利を収めた徳川陣営。
 しかし、嫡子・秀忠による徳川政権が確立すれば影武者は不要となる。
 その後の生命の保障がないことを知った影武者・二郎三郎は、家康を斃した島左近を軍師に、甲斐の六郎率いる風魔衆を味方に得て、政権委譲を迫る秀忠、裏柳生と凄絶な権力闘争を始めた。
 そして、泰平の世を築くため、江戸・大坂の力を拮抗させるべく駿府の城の完成を急ぐ。

 1冊読むのに3週間もかかった。
 原因は、「20世紀少年―本格科学冒険漫画」にはまってしまったからだ。
 全22巻+「21世紀少年」の上下巻を読破、復習といっては再読破と、影武者徳川家康を読む余裕がなかった。
 子供たちへ「マンガばかり読んでないで小説を読みなさい」と日頃口がすっぱくなるほど言っているのに・・・子供たち3人ではまってしまった。
 全巻を大人買いして、子供たちからは「神様」と呼ばれています。
 「20世紀少年」の話はまた別の機会にして、影武者です。
 秀忠へ征夷大将軍を譲っても、二郎三郎との確執はそのまま、豊臣秀頼の件が片付かなければ解決しそうもない。
 ここにきて、二郎三郎の風魔衆vs秀忠の柳生衆の戦いが中心になっている。

影武者徳川家康(3)('08.10.26)★★★★☆
 タイトル:「影武者徳川家康(下)」
 サブタイトル:「影武者」
 著者:「隆 慶一郎」

 いまや二郎三郎は、秀忠を自在に操る家康なみの智将であった。
 彼の壮大な夢は、江戸・大坂の和平を実現し、独立王国=駿府の城を中心に自由な「公界」を築くことだった。
 キリシタン勢力を結集した倒幕の反乱を未然に防ぎ束の間の平安を得るが、秀忠の謀略から遂に大坂の陣の火の手が上がる。
 自由平和な世を願い、15年間を家康として颯爽と生き抜いた影武者の苦闘を描く渾身の時代長編。

 色々、秀忠について調べてみる。
 ・父親(家康)思いの律義者。
 ・戦は苦手でだが、政治力は抜群。
 それほど悪評ではない、ところがこの影武者では、ボロクソである。
 ・無能、残忍、小心者・・・
 どちらが本当であったのか、今更知ることはできないが、想像するのは楽しい。

悪夢のドライブ('08.10.28)★★★☆☆
 タイトル:「悪夢のドライブ」
 サブタイトル:「悪夢シリーズ」
 著者:「木下 半太」

 運び屋のバイトを始めた売れないお笑い芸人を、2億円の借金を抱えた女子高生が追いかける。
 実はそこには、金に目がくらんだヤクザ、刑事、SMの女王様までが、どっぷり参加していた…。
 抱腹絶倒の傑作コメディサスペンス。

 「悪夢の」シリーズの第3弾。
 今までの中では最低の出来だと思う。
 軽快なドタバタ感は今まで通り楽しいが、一捻りがたりない、設定も「観覧車」「エレベータ」ときて「ドライブ」も無理やり感がある。
 今回は設定上、ドライブが重要ではない。
 違うパターンを次回作で期待したい。

お腹召しませ('08.11.04)★★★☆☆
 タイトル:「お腹召しませ」
 サブタイトル:「江戸末期から明治にかけての武士」
 著者:「浅田 次郎」

 入婿が藩の公金に手を付けた上、新吉原の女郎を身請けして逐電。
 お家を保つために御留守居役が出した名案は「腹を切れ」。
 妻にも娘にも「お腹召しませ」とせっつかれ、あとにひけなくなった又兵衛は(表題作)―
 二百六十余年の太平で、武士の本義が薄れてきた幕末から維新にかけてを舞台に、名手が描く侍たちの物語。全六篇。

 江戸末期から明治にかけての武士と戦国時代の武士とは同じだったのでしょうか?
 本のなかでも切腹などは昔の話、切った人など誰も知らない。なんていう話がある、江戸300年の歴史の中で武士が必要であったとは思えない。
 そんな中、軽く妻にも娘にも「死んでください、それで私たちは助かります」と言われた武士に同情してやまない。

天使のナイフ('08.11.10)★★★★★
 タイトル:「天使のナイフ」
 サブタイトル:「第51回江戸川乱歩賞受賞作」
 著者:「薬丸 岳」

 殺してやりたかった。
 でも殺したのは俺じゃない。
 妻を惨殺した少年たちが死んでいく。
 これは天罰か、誰かが仕組んだ罠なのか。
 「裁かれなかった真実」と必死に向き合う男を描いた感動作

 テーマは上にあるように「少年犯罪」。
 少年犯罪をテーマとした本を今までに何作と読んではいる。
 始めは主人公が被害者の遺族として、その憤りを「法が裁けなければ自分で裁く(殺す)・・・」と心情を露呈する。
 十二分に心情は理解できる。
 それに反して被害者(少年)を守り更生させようと一生懸命な人もいる。
 正直理解できない。
 ところが、事件を調べていくうちに主人公の妻も加害者であったことが判明(ネタばれ)。
 苦悶するなか、被害者の言動で加害者の更生を妨げになること、本当の更生とは何か?を考えるようになる。
 テーマは重いが、ミステリー・エンターメントもしっかりしていて一気に読める一冊である。
 2冊目に期待できる。

四十回のまばたき('08.11.14)★★★☆☆
 タイトル:「四十回のまばたき」
 サブタイトル:「冬眠したい」
 著者:「重松 清」

 結婚七年目の売れない翻訳家圭司は、事故で妻を亡くし、寒くなると「冬眠」する奇病を持つ義妹耀子と冬を越すことになる。
 多数の男と関係してきた彼女は妊娠していて、圭司を父親に指名する。
 妻の不貞も知り彼は混乱するが粗野なアメリカ人作家と出会い、その乱暴だが温かい言動に解き放たれてゆく。
 欠落感を抱えて生きる全ての人へ贈る感動長編。

 寒い冬は布団から出たくない、父も冬眠したい。
 冬眠すると人間と聞くとSFなのか?と思うが鬱病の症状として有り得るそうです。
 冬眠といっても24時間眠っている訳ではなく、数時間起きて、ボーとしながら食事や入浴を済ませるらしいです。
 本の内容はさておき、今回は「あとがき」について一言。
 普段は、あとがきはほとんど読まない。
 今回はあとがきの出だしに食いついてしまった。「私は重松が嫌いである」。
 嫌いと書いても所詮あとがきなので、嫉妬からの言葉であり、私が感じる重松という人を的確に表現していた。

ママの狙撃銃('08.11.17)★★★☆☆
 タイトル:「ママの狙撃銃」
 サブタイトル:「暗殺エリート」
 著者:「荻原 浩」

 福田陽子は一見ふつうの主婦。
 ある時、「もう一度仕事をしてみないか」??25年ぶりのKからの電話。
 幼い頃米国に住む祖父の元で暮らした陽子は、祖父からあらゆることを教わった。
 射撃や格闘技、銃の組み立て・分解。そう、祖父の職業は「暗殺者」だったのだ。

 アメリカの祖父の下で「暗殺者」としての教育を受けた「ママ」は、日本ではかわいい2人の子供と少し天然の旦那と普通の暮らしをしていた。
 多少の脅迫?はあったにせよ日本で暗殺を行う動機としては無理がある。
 実際に暗殺を実行してしまうのだが、不思議とシリアス系やハードボイルド系ではなく、終始ほのぼのしている。
 但し、娘が虐めを受けた時や、旦那が事業に失敗した時の「ママ」のキビキビ感はとても楽しかったです。

脳は天才だ('08.11.18)★★★☆☆
 タイトル:「茂木健一郎脳は天才だ」
 サブタイトル:「アハッ体験」
 著者:「茂木 健一郎」

 「サッカーで勝てる脳とは」(岡田武史)、「DNAで探る日本人の起源」(篠田謙一)、「“違和感”が生んだ『絶対音感』」(最相葉月)―。
 「日経サイエンス」好評連載中「茂木健一郎と愉しむ科学のクオリア」オリジナル文庫化第2弾!
 脳科学者vs知の最前線。

 あの「アハッ体験」の茂木さんが、各界の有識者と色々な科学ネタを対談している本です。
 ・体内時計にみるシステム生物学
 ・地震と噴火の予知に挑む
 ・数学で育む論理学
 ・DNAで辿る日本人の起源
 ・サッカーで勝てる脳とは
 などなど
 難しく理解できない事も多いが、概ね分かりやすく書いてあるので、中学生くらいでも理解できるでしょう。

仕掛けられた罪('08.11.23)★★★☆☆
 タイトル:「仕掛けられた罪」
 サブタイトル:「ミステリー傑作選」
 著者:「日本推理作家協会 (編集) 」

 ニオイスミレの咲く丘に住む小さな二人の女の子、ターニャとソーニャ。優しいお母さまに大切に大切に育てられている二人。ところがある日、大きな大きなソビエトの兵隊が訪ねてきて―「お母さまのロシアのスープ」(荻原浩)。
 伊坂幸太郎「死神と藤田」、山口雅也「黄昏時に鬼たちは」他、全9編の短編を収録。

 9人に作家がそれぞれ短編を提供しています。
 どれも完成度が高く外れなしで楽しめました。
 ただ、「死神と藤田」は「死神の精度」に含まれていたものだったので、どれも未発表作ではなく、あくまでの「傑作選」ということです。

なぎさの媚薬(6)('08.11.30)★★★★★
 タイトル:「なぎさの媚薬」
 サブタイトル:「天使の階段」
 著者:「重松 清」

 出会わなければよかったんだ、俺となんか―。
 「五年生存率、二〇パーセント」。
 肺ガンの告知を受けた二十五歳の吉田宏は、看護師で婚約者の真知子との未来を断ち切られた。
 入院を間近に控えて酔った宏は、渋谷の街で“過去に戻れる媚薬”を持つ伝説の娼婦・なぎさに会う。
 真知子と別れるため、彼女と出会った病院へと戻る宏。
 そこには、現実の過去に存在しなかった妖艶なナース・翠がいて、入院中の男たちを次々に誘惑していた。
 そんな翠と競うように、真知子の「おんな」が花開いていく…。
 ひとの死を通して、幸せとは何かを描くシリーズ第六弾。

 今まではある女性を救うため過去へ戻っていたが、今回は真知子を救うと共に自分の死を見つめる旅でもあった。
 自分が余命数年と宣告されたら、しかも婚約中だったら、別れようとするよね。
 ガンというのは残酷か否か?
 脳溢血、脳梗塞、心筋梗塞・・・で一気に死ぬほうがよいか?
 選べといわれたら迷う、楽に一気に死にたいが、身辺整理をしなければならない、箪笥の奥のエロDVDとか、棚の上のエロDVDとか、これから買うエロブルーレイとかとか・・・
 死んでから発見されることだけは避けなければならない。
 そのためにはガンかな、やっぱし。