12歳の学習(2)
 

学ぶ

                
 修学旅行中は、気を抜かないでがんばることを、心に誓っておいた。

 一日目、これまで大変な思いをして準備してきた鎌倉の班行動の時間が来た。私は、計画・準備のとき、班の人の気持ちを考えない行動をして、注意されていた。だから、本番の今日は、班のみんなが困るようなことがあったら、みんなを元気づけたりしようと思っていた。

 その目標を達成させるために、道に迷ったときは、班長の後ろについていき、班長が人に道を聞いているとき、少しでもその人にわかりやすく伝わるよう言葉を付け足したり、聞いた後は元気良くお礼を言って、班全体が良い印象を持たれるようにしたりと、いろいろ考えながらがんばった。
 
 班の人達のためにがんばれたと同時に、知らない人にも礼儀正しく接するのがとても良いことだというのがよくわかって勉強になった。

 これからも、“鎌倉でがんばっている自分”を続けていきたい。

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 修学旅行へ行き、私は友達の良さをまた見つけました。

 Aさんはお食事の支度をするとき(お茶を汲むとき)とっても上手に汲んでいました。私は汲むときちょっとこぼしてしまったけど、Aさんはコップの中にちょうどの量をきれいに入れてくれました。Aさんは日頃お手伝いをしっかりやっているのではないかと私は思い、自分はもっとお手伝いをしなければいけないなあと思いました。

 そのほか、「えん会」のことを一所懸命考えてきた人や、バスガイドさんとすぐ仲良しになっている人とか、まだまだいろいろ見つけることができました。

 みんなを見ていると、いろいろ教えてもらうことがいっぱいありました。これからは、みんなが教えてくれたことを自分の生活の中で生かしていきたいと思っています。
                

 国会議事堂や鎌倉の史跡など、そこに行っただけで学ぶことのできるものも修学旅行の中には、あります。しかし、修学旅行の中には、のほほんと人の後についていくだけでは学べないものもたくさんあります。この二人が学んできたことは、何かを得ようという心の準備がなければ絶対学べないものです。

 最初のBさんは、計画の段階で班の人の心を傷つけてしまったのではないかという失敗をしました。それで、何とか本番の班活動では、班の人の役に立とうという気持ちで旅行に臨みました。その結果、人のためにがんばる気持ち良さや、人のために頑張っているちょっと素敵な自分を、鎌倉で見つけたのです。

 後のCさんは、友達のいいところをたくさん見つけました。人の嫌な所というのはのほほんとしていても気づきますが、人のいい所というのは、「見つけたい」という気持ちがなくては見つかりません。Cさんは、普段から人の良いところを見つけようという心の準備ができるようになってきているのです。

 6歳を過ぎた人間は、「知らず知らずのうちに学ぶ」ということができなくなっています。12歳を過ぎるとさらに貪欲に学ぼうという姿勢がなければ、脳や心の成長は望めません。のほほんと過ごした人にとってはただ楽しいだけの修学旅行も、臨む姿勢によって、BさんやCさんのように得るものの大きい学ぶ場になるのです。

 Bさん、Cさん、それから、さっそく日記を月曜に出した人達、みんないい旅をしましたね。
 

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