6年生の勉強方法(夏・冬)
 

夏の終わり

 A君とB君は、どちらも、1学期に宿題をほとんどやりませんでした。漢字書き取り、計算練習、日記・・・。二人はほとんど同じ量の宿題をやり残したまま夏休みを迎えました。A君もB君も、山のような1学期の残骸を抱えて、終業式の日、家に帰っていきました。

 9月1日。A君は、1学期にやり残した宿題をすべてやり終えて、提出しました。B君は、40日前と同じ状態でした。

 2学期最初の算数の授業。計算ドリルで、1学期の復習のページをやったところ、A君は、並み居るライバルを押さえて、1学期よりも短い時間でドリルをやり終えました。B君は、計算のやり方を忘れてしまっていて1問目さえ解けませんでした。

 その後A君は、きちんと宿題をやっています。“追われる”ことがなくなったので、時間にも心にも余裕ができて、“いい顔”で学校生活を送るようになりました。

 B君は、その後も、宿題をため続けています。「今日こそは、やってきたか。」と毎日聞かれるつらい日々を送っています。

 あと半年で卒業。勉強しないからといって、毎日怒ってもらえる“時代”は、もうすぐ終わります。それから先は、自分で頑張った子だけが伸びるのです。
 

 来るべきその日のために、宿題以外の勉強に自ら取り組む子が、クラスの中に出てきました。夏休みの自由研究などを通して、自分から進んでやることの面白さが分かってきた子も多いようです。

 今から半年の間に、自分でどんどん勉強しようという気持ちを持ち、毎日それをこつこつと続け、その習慣を身につけられれば、中学校へ行っても大丈夫です。そういう気持ちさえあれば、私がアドバイスできることは山のようにあります。

 これから半年、勉強を通して、自ら進んで取り組むという姿勢を身につけられるかどうかが、人生の成功、失敗に大きく影響すると言っても過言ではありません。

 “やりなおす”ための最大のチャンス、夏休みは終わりました。A君、今の気持ち、意欲、勉強のペースをしっかり維持して頑張ってください。B君は、毎日、人の2倍も3倍も努力することが必要です。まだ、半年、チャンスは残っています。
 
 

入り口(冬)

                
 今日は新聞を見て漢字の練習をしました。私は“地球とぴっくす”を見てやっています。昨日はカンボジアで刀狩りが行われた事が書いてありました。刀狩りと聞くと安土・桃山時代の刀狩りが思い浮かびます。たった一言「刀狩り」で脳のふたが開けられて、自分のためになりました。

 また、字の方では、例えば盗は次に皿。二つとも習った字です。先生がおっしゃったように、絹なら糸に口に月と、字そのものは難しくないような気がします。単語で覚えたり作ったりしているうちに、漢字テストの点数もだんだん良くなり、4点(5点満点)が取れました。

 でも、まだ満足してはいられません。明日からもがんばって、今よりもっと何かを発見し、楽しく自分のためになる勉強をしていきたいです。
                
 一学期までの僕の漢字の練習方法は、漢和字典で練習したい漢字が使われている熟語を見つけノートに書くというものでした。しかし、それだけ(見たことも聞いたこともない熟語を書いただけで意味も調べずにほったらかしにしておく)ではだめではないかと思い、二学期からは、意味の分からない字や言葉はしっかりと調べ、それを細い紙にはるというやり方を考え実行しました。

 三学期になりまた新しいやり方を考えました。なぜなら、これまでのやり方には欠点があったからです。確かにノートを開いて細い紙を見れば、これまで分からなかった熟語を覚えていけるのですが、紙がびらびらしてしまい、ノートとしてはとても使いにくいものになっていたからです。紙をやめてノートに直接意味を書き込む方法もありますが、これでは練習スペースが減ってしまいます。

 何か良い方法がないかと考えていると、漢和字典というのが、調べた漢字一文字の後に、その字を使った熟語だけでなく、その熟語を使った文まで書いてあるものだということに気づきました。
「これだ。」
と思いました。

 意味を書いたり、それを覚えようとするよりも、自分でドリルにのっているような短文問題を作れば良かったのです。このやり方なら、意味も覚えて、使い方も分かって、何より、前より効率良く漢字の勉強ができるのです。

 しかし、残念ながらこのやり方はまだ未完成です。短文を作っても、その文を見た瞬間に、その熟語が分かるくらい漢字を主とした文ができません。しかし、これも練習の一つです。このやり方を繰り返して完成させ、知らなかった熟語を、最も早く楽に正確に覚えるようにしたいです。
 

 CさんもD君も、やっと勉強の入り口に立ってくれました。あと1カ月半の間に、この実践が日常に根差せば、小学校を100%卒業です。
 

       One of Crewへ         ホームページ「季節の小箱」へ