自由研究

 夏休みの宿題に自由研究を入れました。このクラスだけのスペシャルメニューです。

 理科の研究でテーマを持っている子は、それをやってほしいと思います。社会科など、理科以外の他の教科で、1学期にやったことの中に興味を持ったものがあれば、それを研究するのもよいと思います。

 歴史で興味のあるものがあれば、それを調べに少し遠くの博物館へ行ってもいいし、家庭科で、家事に興味を持ったら、「おばあちゃんの知恵袋」を開かせてもらうのもいいですね。作曲が途中の人は、完成させてみてもいいでしょう。「わたぼうしコンサート」に応募できれば、人の幸せの役にも立ちます。

 これまで、私が受け持った6年生で一番多かった(私が勧めたのですが)夏の研究テーマは、「私がやってみたい職業」です。自分の就いてみたい職業について、何でもかんでも調べて、1冊のノートにまとめてきました。

 スチュワーデスになりたい子、アナウンサーになりたい子、・・・図書館で調べたり、時には、直接、航空会社や放送局に電話して、どうすればなれるのかを調べた子もいました。

 一番印象に残っているのは、板前になりたいと言ったA君です。少し本で調べたのですが、それだけではだめだろうと、近所ですがなじみのない寿司屋に飛び込んで、魚の切り方や見分け方を教えてくれと頼んだそうです。最初は「そんな暇は無い。」と随分強く言われて、すぐ教えてくれるだろうと軽く考えていたA君は、“世間のきびしさ”を味わったようです。

 しかし、ここからがA君のいいところ。それにめげず、何度も足を運んで頭を下げたそうです。寿司屋のおやじさんは、A君の根気に感激してくれたようで、夏休みの間、随分かわいがってもらったそうです。9月に提出されたA君のノートには、新鮮な魚の見分け方や、包丁の使い方などがぎっしり書かれていました。

 具体的な将来の夢を持つことは、勉強のやる気をはじめ、これからの生活の気力の充実につながります。たとえ、その目標が180度変わったとしても、夢を持つ力は、確実に強くなります。

 また、好きなことを調べようとするときは、普段の勉強より発想が豊かになり、今までやったことのないようなことに挑戦しようという勇気も出てきます。ですから、できるだけ多くの子に「将来就きたい職業の研究」をしてほしいと思っています。お子さんが少し本気になったら、そっと手を差し伸べてやってください。

 中学校でも職業調べの宿題が出るようですが、夢と現実が重なっている小学生のうちに、一度この研究をしていくのは、とても意義のあることだと思います。

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 夏休みに、自由研究の宿題を出しました。いつものように理科でやれる子は、コンテスト応募のためにがんばってくれればよいのですが、それにさほど興味のない子は、自分が就いてみたい職業について研究してくるように言いました。

 私が、この研究で一番してもらいたかったのは、大人と接する事です。知らない大人と、きちんと話ができること。できれば、その道のプロの目や手や言葉に接して感動をすること。普段学校ではできない、このような経験をしてほしいと思い、この課題を出しました。

 そういう点で、よくがんばったなあと思う研究をいくつか紹介します。
◎獣医になりたい・・・獣医さんに電話でインタビュー。
◎サファリパークで働きたい・・・サファリパークまで行って従業員にインタ ビュー。そのときは、忙しいと断られたが、質問事項を書いて渡したら、後 日、手紙で答えてくれた。
◎美容師になりたい・・・美容院に行き、仕事を見せてもらい、インタビュー に答えてもらう。
◎絵本作家になりたい・・・好きな絵本作家にインタビューするために、まず、 出版社に連絡。教えてもらった住所に手紙を書いて、親切な返事をもらう。
◎バレリーナになりたい・・・通っているバレエ教室の先生にインタビュー。

 このほかにも、残念ながらプロとの接触はできなかったものの、料理人をめざして、自分で料理に挑戦したA君B君Cさん、博物館へ行ったりしたD君。歴史学者になるために京都を実際に歩いて取材してきたE君。お父さん、お母さんの仕事について調べたF君など、積極的に行動できた子がたくさんいます。

 好きなことを職業にして生きていくためには、才能と幸運の両方がなければいけません。この二つのうち、幸運は、周りの人の心からプレゼントされることが多いのではないかと思います。自分の熱い思いを持って、積極的に人と接しようとする態度は、きっと自分の明るい未来を開く一つの鍵になるでしょう。
 

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