登呂遺跡
休日を使って、登呂遺跡の見学をしてきた子がたくさんいます。6年生を担任すると登呂遺跡の見学を勧めますが、こんなにたくさんの子が見学に行ったクラスは初めてです。
それ以前にも、進んで焼津市立図書館や郷土資料館を訪ねた子が何人もいます。こんなふうにやる気を見せてくれると、こちらも、授業を一所懸命やって良かったなあと、また、やる気がわいてきます。
今回の見学の報告を聞いて、えらいなあと思ったことが2つあります。
1つ目は、黙って見てきたのではなく、博物館の人に積極的に話しかけたということです。
人の脳には何億もの知識の箱が詰まっています。その一つ一つが有機的につながって口から出てくるのですから、人から直接ものを教わることは、どんなに立派な百科事典を調べるよりも有効です。博物館の館員の方々の中には、その道の専門家も多く、子供たちは、頭の中にいろいろな“お土産”を持ち帰ることができたようです。
また、行き帰りの途中でも、いろいろな人に積極的に声をかけ、時間を訪ねたり、バスの路線を教わったりと、いろいろお世話になったようです。A子さんの日記には、途中でいろいろな人と話ができたことは、登呂遺跡の見学と同じくらい勉強になったという意味のことが書かれていました。
2つ目に感心したのは、授業中に持った疑問を何とか解決しようという目で見学をした子が多かったことです。
「一応行ってみよう」という位の気持ちで見学するのと、「知りたい」という気持ちで見学するのとでは、同じものを見ても、得る物は大きく違います。「知りたい」と思って行った子は、脳の中に「答えを入れる空箱」をあらかじめ用意して見学したのですから。
登呂遺跡に行くのは、2回目だという子もいたようです。しかし、1回目より新鮮で、得る物は1回目よりも比べものにならないほど多かったと思われます。子供たちの脳は日に日に進歩するので、がんばって勉強している子は、同じ場所に何度行っても、新しい発見ができるのです。
お父さん、お母さんが、お子さんにとって大切な場所だと思っているところには、1度だけでなく、何度も連れていってあげてほしいと思います。