個性(3)
 

お土産

                 
 修学旅行、ありがとうございました。おかげさまで楽しく行って参りました。帰る道すがら、次から次へと楽しい話が続きます。楽しくて楽しくて、うれしくてうれしくて・・・。

 旅行の楽しかった事もさることながら、お友達の優しかった事が何よりも心に残ったようでした。「みんなが“大丈夫?”“大丈夫?”って声をかけてくれてうれしかった。リーダーのお友達が“A子さんは足が痛いんだからゆっくり行ってあげよう”と自分のために歩く速さを加減してくれた。」等々。胸があつくなります。大事な修学旅行、どの子も1分1秒でも早く動き回りたいでしょうに。申し訳なく、でも、ありがたい気持ちでいっぱいでございます。

 今まで歩かなかったものですから、夜、さすがに足が痛くなり、「明日歩けるかな」と心配だったようですが、おかげさまで翌日も「何のその」で歩いたようです。
 A子同様、お友達の気持ちがあんまりうれしくてありがたくて、お便りしました。
                 

 A子さんは、しばらく前から踵を痛めており、体育どころか登校も大変な状態でした。A子さんのグループは、一番大変な行動計画を立てており、私も少し心配でしたが、結果はA子さんのお母さんからのお手紙の通り、A子さんの頑張り、班の子たちの気遣いもあって、無事、旅行を終えることができました。

 勘違いされると困るのでお断りしておきますが、A子さんは普段、友達を頼りにして生きている子ではありません。A子さんは、普段から友達のことを真剣に考え友達のために行動する子ですし、旅行中も、足以外のことでは、友達のために頑張っていたと思います。

 こういう時は、どんどんチームのみんなに甘えていいと思います。その代わり、自分のできる部分ではそれまで以上にがんばればいいのです。一人一人得意なことが違って、でこぼこしているけれど、メンバーの誰もが自分のできることを精一杯チームの友達のためにやるというのが、良いチームでしょう。

 何もわからずに甘えた状態になってしまうのと、チームのことが分かっていて甘えることができるのとでは、同じ甘えるでも、180度意味が違います。

 A子さん、いいお土産を持って帰ってきましたね。“努力と根性の東京タワーの置物”も悪くはないでしょうが、やっぱり最高のお土産は、お父さん、お母さんが心から喜んでくれるお土産話でしょう。
 

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