プロポーズ
貴方のてのひらの上で
春が眠っている
春が落っこちないように
私が手を添える
貴方は少し照れながら
春の温もりを
私の手に分けてくれた
心を言葉にしてみれば
勇気は後からついてくるから
本のどこかに書いてあったと
曖昧な記憶を頼りにして
未来を貴方にたずねてみた
私のてのひらの中で
春が広がっていく
春があふれ、こぼれないように
貴方が手をそえる
私は少し照れながら
春のときめきを
貴方の手に注ぎ込んだ
文芸やいづ 第28号 掲載
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