Q16 九九の覚え方を教えてください。
A16 九九は、2年生の学習の最大の関門と言えますね。
でも、大事な所ですし、日本の「ににんがし、にさんがろく…」という唱え方は、とても良くできているので、まず、全部暗唱できるように頑張りましょう。
10才を越えるまでは、人間は暗記の天才です。
暗記は、以下の4段階を踏んでいくように指導しています。
@教科書を大きな声で読む。
A教科書を見ないで、大きな声で暗唱する。
B順序どおり並んだカードを見て、九九を唱えずに、答えだけを言う。1枚1秒以内。
Cランダムに並べたカードを見て、九九を唱えずに、答えだけを言う。1枚1秒以内。
お父さん、お母さんが2年生の時には、Aができれば合格をもらえた、という方が多いかもしれませんが、ここまででは実践に役立ちません。
自動車教習でいえば、@は教本を読む、Aはペーパーテストに合格する、Bは運転試験に合格する、Cは実際の運転で腕を磨く、といったところです。
免許証を持っていても、ペーパードライバーでは、いざという時に役に立ちません。
@からCで大事なのは、Bです。
他のことでも言えますが、完成の一歩前を入念に行うことが大事です。
Bでは、カードをしっかり見ること、答えだけを言うこと、の2つに注意して、しっかりクリアしなければなりません。
そうすることでCがすんなりと手になじみます。
あせって1日にたくさん練習しても、時間をかければかけるほど、時間に関するコストパフォーマンスは低くなっていくでしょう。
1日にたくさんやるよりも、毎日続ける方が効果があります。
おふろにいっしょに入りながら、のんびり、しかし、毎日挑戦してください。
さて、九九の暗記と同時に、ここがかけ算の基本を学習するところだということを知ることが重要です。
これがわかっていないと九九を暗記しても、高学年になって、九九を使えなくなります。
ここで学習する掛け算の基本は、「1単位当たりの量がわかっている時、その総数は、掛け算という計算で簡単にスマートに割り出せる」ということです。
どの入れ物にも同じ数のものが入っていれば、全体の数は、掛け算で簡単に計算できる、ということです。
これも、図で表せることが大切で、いろいろな図を描いて、理解を深めます。
いろいろと描いてみる中で、1単位あたりの量を縦軸に、単位数を横軸にかくという方法が理解できるようになれば、最高です。
これは、そのまま面積の学習に生かされていきます。
問題の中で、どれが1単位当たりの量かを発見するのが難しく思える子もいます。
「袋に3つずつみかんが入っています。袋は5袋あります。みかんは全部で何個でしょう。」
これなら式をだれでも3×5と書きますが、「袋が5つあります。どの袋にもみかんが3つずつ入っています。みかんは全部で何個でしょう。」という問題では、5×3としてしまう子がいるのです。
「3週間は何日ですか。」も同様の問題ですが、ここに苦戦する子は、けっこうたくさんいます。
問題を解くたびに、絵や図を描いて、理解を深めさせてください。
九九の仕組みを解明していくのは、算数のとてもおもしろい場所のひとつです。
暗記と平行して、九九の秘密を勉強すると、理解が速くて、暗記も面白いものになるでしょう。
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