Q22 日記の宿題が出るのですが、何を書いたらいいでしょう。
A22 今日、算数で160000か、180000かで、1、2回じゃなくて、たくさん迷ってしまった。
200×900で迷った。
200×800でも、ちょっと疑問を持った。
180000円という大金を持ってかなくても、もっと少なくてもいけるんじゃない?
160000円では、840とかいうのはどうやるの?
最後まで自分の中では、はっきりわからなかった。最後に先生が「見積もり」と言ったので、今までのが分かってきた。
これは、算数の「積や商の見積もり」という授業をやった翌日に提出されたA君の日記です。
きっと、これを読んだだけでは、何が書いてあるか、わからないでしょう。
でも、これを見た先生には、A君が、授業中の1時間、一所懸命考え続けたのが、よくわかります。
家に帰り、日記を書く時まで、この勉強のことを真剣に考えていたことが、先生に伝わります。
日記には、家でのできごとを書くのもいいのですが、A君のように、授業でこんなことを考えたよ、と書くのも、よい日記を書くこつの一つです。
今日は友達のこんな良い所を見つけたよ、勉強や友達のことで悩んでいるよ、などというように、とにかく、今、頭の中を一番大きく占めていることをそのまま書けばいいのです。
普通の日は、学校での出来事を思い出すだけで、書きたいことが沢山見つかるはずです。
まずは、今日、授業中に考えたことか、友達の良いところを書いてみましょう。
書くことがないのでごめんなさい。
先生は、何がきっかけでギターを始めたのですか。
僕のお父さんも、ギターを弾いたり、料理をしてくれたり、星をいろいろ見せてくれたりします。
お母さんが会社へ行っている時は、お父さんがいつも僕たちのご飯の支度をしてくれます。
お父さんの作るチャーハンはとてもおいしくて、ラーメン屋さんよりおいしいので、外食の時、みんながチャーハンを頼んでも、ぼくは頼みません。
パソコンもよく教えてくれます。
お父さんは一所懸命勉強したので、僕も少しずつがんばっていきたいです。
お父さんは、ギターもいろいろな曲を弾いたりします。
先生は、何の曲を弾きますか。
お父さんみたいになりたいです。
B君は、「今日のできごと」が見つからず、困ってしまい、冒頭の文を書いたのだと思います。
でも、こんな心配をすることはありません。
日記は、「できごとを書くのではなく、心の中を書けばいい」からです。
この日記は、ここ2カ月のB君の日記の中では、最高の日記です。
日記には、「後で利用するために、その日の出来事を克明に記す」という使い方もありますが、私のクラスの日記の目的は、違います。
日記の宿題を出している最大の目的は、「あやふやな自分の感情を整理して、自分を見つめる」ことです。
毎日、いろいろな出来事があります。
そのたびに、いろいろ考え、脳も心も成長していきます。
自然にまかせても、それなりの成長はしますが、一つ一つの出来事に関して考えたことをきちんと整理しておくことは、脳や心の成長を一段と深めるでしょう。
こんなふうに書くと、何か難しいことを書かなければならない気がするかもしれませんが、そんなことはありません。
その日の出来事に関して、自分の考えたことをそのまま書けばいいのです。
自分の心の中を書いてみたり、先生から返事をもらうことで、ただの感情で終わってしまうはずのものが、理性という、次の難問を解決する道具になっていくのです。
まず、今、自分を幸せにしてくれている人や物、時間について、書いてみましょう。
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