Q38 高校生の息子が、学校に行きたくないと言っています。
読者の方からの御相談************************
16歳の息子は「学校がつまらない、新学期が始まって授業が始まっても、ノートを取る気にもならないし、授業の内容がアタマに入ってこない」と言って、疲れきっています。
学校で自分の存在価値や、勉強の意味がわからないようです。
バイトの時間だけが自分を必要とされている時間のようです。
無意味な気持ちで16歳をすごすのは気の毒なような気がします。
一方で甘えすぎている、という気もします。
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A38
私からのお返事******************************
苦しんでいる娘や息子を目の前にして、どうしてやればいいかわからなかった時の気持ちを思い出します。
もうひとつ思い出すのは、自分が中学を卒業を間近にしていた時のことです。
私は、普通高校への進学を希望していましたが、父はそれに反対しました。
「高校へ行くのは、時間と金の無駄だ。もし、どうしても行きたいのなら、腕に職がつく工業高校にしなさい。工業高校なら3年間養ってやる」というのが父の主張でした。
その時の私には、しっかりした将来のビジョンもなく、父に反論する理論も持ち合わせていませんでした。
母は、私が中学を卒業したら勤めていた工場をやめようかと考えていたのですが「私も働くから、この子をあの普通高校に行かせてほしい」と父を説得してくれました。
担任の先生も何度も家庭訪問してくれ、母といっしょに、父を説得してくれて、私は普通高校に行けることになりました。
普通高校に行くことに決まってからは、父は、私が大学を出るまでのお金を貯めると言って、工場の仕事に加え、深夜と休日のアルバイトを始めました。
高校に入ってからの私は、クラスで最下位を争う、勉強のできない生徒でしたが、勉強から逃げ出すことはありませんでした。
なぜ普通高校、大学への道を自分が選んだのかを真剣に考える機会を作り、反対しながらも一度承諾したら、身を削るようにして私のために働き続けてくれた父と母がいたからです。
荒っぽい言い方かもしれませんが、今の多くの日本人は、日本の義務教育が15才までだということを忘れています。
日本では、中学校を出たら、親には子どもを学校に行かせる義務はないし、子どもには親から無償で学費を出してもらう権利もないのです。
でも、今の日本で、中学卒業後すぐに就職するというのは大変な状況であることも確かです。
これだけ多くの情報が飛び交う社会の中で、15才の子に、自分で将来の道を決めて歩めなさい、というのも無理な話です。
ですから、親に経済的な余裕があるのなら、「今は自分が何をすればいいかわからない。だから高校(大学)でもう少し学ばせてほしい。」という子どもに対して、親が学費を出してやるのは正しい選択だと思います。
必要なのは、どうして高校(大学)に行くのか、ということを、親子の意見、気持ちが一致するまで、しっかり語り合い、考えることです。
正しいと判断して入学した高校(大学)でも、これでよかったのかと迷う日も出てくるでしょう。
どうしてもすぐに答が出なければ、1年休学してアルバイトなどで生活するという方法もあるでしょう。
親と同居していれば、住居費はいらないので、アルバイトでも生きていけるはずです。
大事なのは、なぜそうするのか、を、親子で意見が一致するまで、徹底的に話し合うことだと思います。
特に、14才から18才までは、これが必要だと私は考えます。
18才になったら、子どもは巣立っていきます。
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