Q43  兄弟で我先にと話しかけてきて、上手に聞いてやれず、結局、兄弟げんかになってしまいます。

  読者の方からの御相談************************

 はじめまして。

今、海外で6歳、10歳の男の子の子育てをしています。

 うちの子達は、学校で会ったことを、学校帰りの車の中や、食事の時などいろいろ話してくれます。

それはとてもうれしく、いいことだと思うのですが、お兄ちゃんが話していると、弟も話したくなるようで、途中から自分の話を始めます。

でも、私はまだ、お兄ちゃんとしゃべっていると、「また、聞いてくれない!」とか、急に怒り出したりします。

たまに、逆のケースもあります。お兄ちゃんが話に割り込んできて、弟がまた怒り出すこともあります。

車の中で、怒り出され、けんかになると運転の気が散って、危ないので、私が怒って、黙らせてしまうこともあります。

 せっかく学校であった事を聞けるいいチャンスなのに、こんなことが多いので困っています。

 私は、二人の質問に同時に答えられないわけですし、どうしたらいいかと、思っていたところだったので、思わず、メールをしてしまいました。

聞き上手なお母さんになって、子供の相談にものれるようになるには、どうしたらいいのでしょうか?

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A43

私からの御返事******************************

 こんにちは。

お便りありがとうございます。

 どちらか片方を、お母さんの味方に引き入れてみるという方法が一番よいようです。

多くの場合下の子の方が、早く寝てしまうことが多いので、その間に上の子を味方にしてしまいます。

 上の子と二人きりになる時間を見つけて、思い切り抱きしめ、話を聞いてやります。

時間はほんの少しでいいので、お母さんの子供は自分ひとりだという錯覚を味わわせてやります。

 上の子は、下の子が生まれるまでは、一人っ子でした。

それがある日突然、もらえる愛が半分になったと思ってしまい、がっかりしてしまいます。

そのためにいらいらをぶつける子もいるし、じっと我慢して、数年後に突然、それが爆発する子もいます。

 どんな子も、お兄さん、お姉さんになっ時、同じように感じているようです。

だから、下の子が生まれた時、もう一度、「あなたは大切な子供」だと、伝えてあげることが大事です。

二人が同時にしゃべりそうになったとき、弟に見つからないように、お母さんとウィンクで合図できるようになるとみんな幸せになります。

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読者の方からの御返事************************

 ご返事ていねいに、ありがとうございました。

 早速、上の子を巻き込んで試してみたいと思います。

 でも、子供がしゃべりたい時って重なるものなんですね。

 うちは特に、インターに通っているのですが、普段は学校では友達とスペイン語でしゃべり、(学校に日本人がうちの子を含め6人しかいないので)、特に学校が終わった後は日本語でしゃべりたいようです。

 まあ、大人同士もそうなのかもしれませんけど、がんばってみます。

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他の読者の方からのお便り*******************

 私は一人だけをこっそり呼んで「あなたは大切な子なのよ」と言うことはしていません。

そんなふうに言うと、その子がいつか「自分が一人っ子だったらよかったのに」と思うおそれがあるからです。

 「お母さんの子供は自分だけではない。でも自分は充分に親から愛されている。同じように兄弟たちも親から充分に愛されている。」

こういう気持ちを持って育ってほしいし、みんながそう思える家族こそが、最高に幸せだと思います。

 もし、私の子供を一人だけ呼んで「あなただけにこれをあげる」と言ったら、うちの子は怒ると思います。

「どうして自分だけなの。兄弟のみんなの分はないの」って、きっと言います。

 兄弟、どちらにも同じように愛情を注ぐにはどうしたらいいでしょうと悩むお母さんは、自分の持っている100の愛情を、50と50に分けて与えると考えているのかもしません。

私は、兄弟どの子にも、100ずつ愛を送りたいといつも思っています。

50と50の平等は難しい(52と48になったら、もう不平等)けど、全部100ならいつでも平等です。

 兄弟同時に話しかけてくることは、うちでもよくあります。

そんな時には、それぞれの言うことをよく聞いて、

1 即答を求めていることか、それに即答した方がいいか。

2 ただ聞いてほしいだけなのか

3 もう一方の子と、共通の話題になる内容ではないか。

を考えます。

 そうすることで、どちらの話を先に聞くのか、二人を巻き込んでひとつの話をすればいいのか、などが自然に決まってきます。

 子供たちから同時に質問が飛んできて同時に応えなくてはならない、ということはあまりないはずです。

だから、片方の質問に対しては、「あなたはどう思うの」と質問で返しておいて、もう一方にはすぐに応える、とか、片方の質問をもう一方に振ってみる、というようなことをすれば、時間差が生まれ、親の方にも余裕ができます。

 でも、そんなことより、子供たちが同時に話しかけてくる時には、子供たちが仲たがいをしていないかが心配になります。

兄弟で喧嘩していると、子供たちは我先にと母の気持ちを引こうとするからです。

子供たちが本当に仲たがいしていないかを探って、直してやるのが最初にしなければいけないことです。

 子供たちが同時に話しかけてきて、どうしようもない時には、こんな方法で切り抜けることもあります。

「二人の話はゆっくり聞きたいんだけど、ねえ、まずママの話を聞いてくれる?あのね、今日ね…」

これで収まってしまうことも多いんですよ。

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 問題の解決方法は、本当に沢山あると思います。

この「速効よい子」が、相談やお答えの「広場」になってくれて、うれしいです。


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