Q46 学校の勉強に不安のある3年生の家庭学習は、どのようにすればいいでしょうか。
読者の方からの御相談************************
毎週、読んでいます。
すごく励まされ、勇気づけられる文面をありがたく感じています。
3年生の息子のことでお話させていただきます。
息子は、本をスラスラ読めません。
家庭訪問でも、読みが苦手だと聞き、「これからですよ」と励まされましたが不安を感じています。
読解力が当然身についてないので文章を理解するのが苦手です。
読解力が未熟だから、算数でも何を聞かれているのか分らないようで、宿題も、すぐに「教えて」となります。
その日に勉強したことが宿題(復習)となってるはずなのに理解できてないのかと不安になります。
私がついて説明してやると分かる場合がほとんどなのですが、自分で考える力が未熟です。
家庭学習をどのように進めていけばいいのでしょう。
先生のおっしゃるように、まず、国語の本をスラスラ読む練習をしていかなければと思っています。
算数も計算が速く出来るわけでもありません。
学校でも時間を決められて穴あき九九などやっているようですが時間がかかっているようです。
家でトレーニングしていかないとダメだと思いますが、やっても本人も嫌がって続きません。
3年生になって字は丁寧に書くようになってきましたが、まだまだだと思います。
私は、結局、鬼になって怒ってばかりで悪循環です。
息子もやらなくてはいけないという気持ちはあるのですが、すでに苦手意識が強いようで、やればできるよと言いつつも、親としてどう接すれば、どう助言してやればいいのか悩みます。
長文になり申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
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A46
私からのお返事******************************
こんにちは。
お便りありがとうございます。
お子さん、勉強、がんばっていますね。
お便りの文面から、お子さんが、できるようになりたいと一所懸命がんばってる様子がわかります。
まず、お勧めしたいのが、音読の宿題を国語の教科書でやるのではなく、算数の教科書でやるという方法です。
音読というと国語の本と思いがちですが、他の教科の本を読むことでも、力を伸ばすことができます。
国語以外の算数などの本を声に出して読んでいる姿を見たことありますか。
声に出させると、読めているようで実は読めていない場所というのがはっきりわかります。
国語の音読は上手でも、他の教科書を音読させると意外に読めないという子はたくさんいます。
算数が気になるのなら、算数の教科書を音読させましょう。
理解力が気になるということですが、理解力を高めるためには、大人との会話が必要です。
子どもが一人で本を読んでも理解力は高まりません。
思考力というのは、まず人との会話のキャッチボールがあって基礎ができ、基礎ができた子だけが一人で思考できるのです。
ですから、もし理解力が不足していると感じるのならば、今まで以上に親子の会話を増やしてください。
子どもの言葉で、などと気を使う必要はありません。普通の大人の会話をお子さんとしてください。
途中で、「それ、なんのこと?」と聞かれたら、その時は、お子さんにわかるようにていねいに説明しましょう。
理解力は大人との会話から生まれます。
算数の計算ですが、学校の要求する「時間」にはひとまず目をつぶってください。
もちろん、その時間内にできることを最終的な目標としますが、すぐにできなくても大丈夫です。
計算は、カードなどを使って練習しましょう。
くりあがりのある足し算、くりさがりのある引き算、九九の割り算(または虫食い九九)、この3種類をやってください。
答えだけ口頭で答えるという方法で1問1秒以内になるまでやります。
50問を50秒以内くらいがいいと思います。
一度に沢山練習してもだめです。
同じ問題を1日2回、がんばっても3回までで充分です。
毎日続けることが大事です。
1リットルの牛乳を100日間飲み続けると体は丈夫になりますが、100リットルの牛乳を1日で飲むと下痢をします。
毎日、時間を記録してください。「昨日」より記録が悪くても、がっきりしてはいけません。
淡々と毎日続けさせてください。
1週間前の記録と比べると、格段の進歩をお子さん本人も確かめることができ、やる気もわいてくるでしょう。
よく、「ほめてのばす」と言いますが、それは、「よくがんばったね」と言うことではありません。
進歩が実感できるような状況をつくってやることが「ほめて伸ばす」です。
ここに書いたことがお子さんに当てはまるかどうかわかりませんが、成果が出ても出なくても、またご連絡いただけるとうれしいです。
だめだった時は、また違う方法を考えます。
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読者の方からの御返事************************
ご多忙な毎日をお過ごしだと思いながらご相談させて頂いたにも関わらず、ご丁寧な内容の文面を本当にありがとうございました。
算数の本の音読、早速やってみます。
それから、大人との会話が理解力を高めるというお言葉、心を打ちました。
典型的な核家族で主人の帰りも遅いので私と子ども2人という生活で大人同士の会話を聞かせることもなく育ててきたかもしれません。
長男は小3年、次男は年中です。
もっと、会話を楽しめるように子どもの言葉を聞き逃さないように会話をしていこうと思います。
先生のメルマガでも今回のお返事にもカードが出てきますが、どのようにカードを作ればいいのでしょうか?く
りあがり、くりさがりの計算をカードに書けばいいのでしょうか?(ひっさんなのでしょうか?)
すみません、質問ばかりになってしまいました。
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私からのお返事******************************
4+8とか、12ー4という式をカードに書いてください。
英単語を覚える時に使ったようなカードです。
九九は32÷8という割り算をつくればいいでしょう。
やる気が出てきたら、32÷6というような式を書き、5あまり2と答えさせましょう。
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お父さん、お母さんが、おもしろがってお子さんの勉強に付き合ってくれると、お子さんは勉強することそのものが楽しくなって、力をうんと伸ばせるでしょう。
お子さんが家で勉強している時、お父さんとお母さんが楽しそうだと、お子さんにとって、勉強することが正しいことだと思えるようになります。