最低の発想、最高の発想

AとD

 社会科も、今年は見る、読む、動くという段階を追って学習していきます。

 《見る》まず資料集の中の、主となる絵や写真を見て、いろいろなことを見つけます。《読む》次に、そこから予想されることを考え出します。《動く》その後、その予想したことが正しいかどうかを確かめるために、いろいろな資料を捜し出して、まとめていきます。

 最後に、それまでの調査をもとに、その時代の人々は、今の私たちより幸せだったかどうかを全員で討議します。そして、今の私たちの方がもし不幸だとしたら、その時代にあって無くしてしまったものは何かを考えます。

 「見る」の段階での発見は、A〜Dの4つにランク分けできます。まず、最低のDは、誰が見てもめちゃくちゃで、ふざけているとしか思えないような発見です。ひとつ上のCは、誰もがすぐに納得する発見です。

 さらにひとつ上のBは、「そうか。自分は全然気づかなかった」とみんなが感心してくれる発見です。

 そして、最上級のAは、誰が見てもめちゃくちゃで、ふざけているとしか思えないような発見です。そうです。AとDは、見た目は全く同じなのです。

 「めちゃくちゃに見える」ということは、他の誰もが考えつかなかったという証拠です。まず、ここに大きな価値があります。しかし、そのままでは、めちゃくちゃのDのまま終わります。そこに、鋭い「読み」と、豊富な調査による確証作りが加わることで、「めちゃくちゃ」は、今まで誰もしなかった素晴らしい発想に生まれ変わるのです。

 「天使のように大胆に(発想し)悪魔のように細心に(綿密な調査研究をしていく)」ことができる人は、豊かな人生を送り、その豊かさを他の人の幸せのために使うことができるでしょう。(「天使のように・・・」は、黒澤明さんがどこかで言ってました。)

 人と違うことを言う子供をないがしろにしたり、ばかにしてはいけません。人と違うことを言うばかりで、それにまじめに取り組まない子、努力しない子をうぬぼれさせてはいけません。
 

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