参観日(2)
 

縦と横

 昨日は、参観ありがとうございます。20名を越えるお父さん、お母さんに参加いただき、とてもうれしく思っています。ご都合が悪くてお越しになれなかった方には誠に申し訳ありませんが、昨日の授業及びその後の作業は、ぜひとも観ていただく価値があったと思います。

 その理由は2つあります。1つ目は、普段の学校の様子を、これまでになく、よく観ていただくことができたという点です。

 教室での座った授業ですと、「少しはいいところを見せたいなあ。」「恥はかきたくないなあ。」などという雑念が必ず生じて、思考や動きが堅くなります。こういうときのお子さんの姿は、日頃の学校生活が100%表れていないと思っていただいて結構だと思います。

 しかし、昨日は、雑念の入る余裕はありませんでした。いつもの授業の“まんま”の姿がよく出ていました。体育の技術はもとより、チームの友達のことを考えた行動、他チームにまで、本気で応援、指示を送る気持ちの熱さなど、お子さんは観ていただいたとおりの学校生活を送っています。

 理由の2つ目は、行動面において、お子さんを“横”に観ていただくことができたことです。

 親と教師(や地域の人達)が協力しあって子供にあたらなければ本当の教育ができないとよく言われます。それは、子供を“縦”で見て良く分かっている人と、“横”で見てよく分かっている人両方がいなければ人間が育たないからです。(今子供たちは立体の勉強をしていますが、立体というのは、一方向から見ただけでは、それが何という立体なのか判断できません。色々な方向から見てはじめてそれが何なのかを知ることができます。教育も同じです。)

 縦に見る、というのは、どれだけ成長したかをつかみながら見るということです。教師も1年間一緒に暮らしますので、1年間の成長は良く分かります。しかし、それまでの11年間のことは、実感として分かりません。何歳のときからこんなことができるようになった、ということが一番良く分かるのは、お父さん、お母さんです。

 横に見る、というのは、同じ年齢(厳密に言えば年齢だけの問題ではありませんが)の集団の中で、他の子に比べて、その子がどんな力を持つことができるようになったかをつかみながら見るということです。お父さん、お母さんもお子さんをその友達と比べるとある程度つかむことができるでしょうが、教師の方は、毎日、その集団と暮らしているので、横に見るための情報量は、やはり、お父さん、お母さんよりも多いと思います。

 国語や算数などの“お勉強”については、横に見た結果をお父さん、お母さんに伝えることが割合簡単です。「お子さんは誰よりも早くこの問題が解けました」「他の子はここまで漢字を覚えていますがお子さんはまだです」のように伝えられます。しかし、行動面については、おこさんの様子を言葉で伝えるのが、なかなか困難です。

 そこで、昨日の授業と作業です。行動面においてのお子さんの「横から見た力」は、見て感じていただいた通りだと思います。
 後は、懇談会でお話したとおり、どこを登っているかを冷静に判断していただけば、お子さんもやる気が出て伸びると思います。どしどしご相談ください。
 

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