友達(4)
 

新委員会

 新しい委員会活動が始まりました。この委員会活動は12月まで。6年生は最後の委員会です。5年生の時から4期目。最上級生として、いかんなく力を発揮してほしいと思います。

 新委員会を決定(それぞれがどの委員会に入るか)する学級活動の時間は、彼らのいろいろな場面の見られる、とてもよい授業時間でした。

 委員会活動のできるのは5年生から4期しかありません。ですから、すべての委員会を経験するのは無理です。そこで、一番やってみたい委員会を希望するのですが、各委員会の定員が決まっているので、すべて希望どおりに入れるとは限りません。

 今回の学級会では、定員に対して希望の多い委員会は、希望者がみんなの前で演説を行い、それを聞いた人が投票をして決めるというシステムを採用しました。

 このやり方だと、たいていどのクラスでも、うまく話せなくて黙ってしまったり、どうせ自分は選ばれるはずがないとあきらめてしまったりする子が出てくるのですが、今回はうれしいことに、どの子も堂々と、なぜこの委員会に入りたいのかをみんなの前で話すことができました。話の中身も上手にまとまっている子が多く、なかなよい演説会になりました。

 演説の“熱さ”と、日頃どのくらい一所懸命働いているか、さらに、自分がどれくらいその人のことを日頃すごいと思っているか、などが考慮され、投票されたようです。投票者数が少ないので、投票の結果はシビアに一票差でも当選と落選が決定されました。

 本気で演説に取り組んだので、敗れ去ったときに涙を流した子がいることは仕方ありません。中には、前期の委員会が決まった半年前から、最後の委員会はここに入りたいと決めて臨んだ選挙で負けた子もいるのです。

 すべての委員会が決定した後、B君は机に突っ伏して泣いていました。そこへ、A君が行って、一所懸命慰めています。実はA君も、落選して涙した一人です。

  A君は「強い人」になりました。暴力をふるうまぬけ者が強いと思っている子は、このクラスにはいないと思いますが、A君のような行為から、少しずつ強さの真実を学んでいってほしいと思います。強さの裏付けのあるやさしさは、本当にすばらしいものです。

 最初の投票で敗れたA君は、目に涙を一杯浮かべて、席に戻りました。1回目の投票でクラスの意見が真っ二つに割れ、再度、演説をしなおしての落選でした。委員会の名前は「児童会役員」。彼にはもう“児童会”役員になるチャンスはありませんが、“生徒会”役員に立候補したら、この場のAくんを見ていたみんなが、全力で応援してくれるでしょう。
 
 

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