逆転
夏休み直前、6年生の算数の時間に、計算テストをしました。
1年生の問題から、順にやっていきます。
自分の弱点や、自分がどの時点で躓いているのかを確かめるためです。
自分の弱点や、躓いた場所がわかれば、夏休みのうちに修復が可能です。
小学校、最後のチャンスです。
日本の小学校の算数の学習は、ゆるやかな坂道を登るように組み立てられています。
1年生で手に入れた知識を、技能として身につけることによって、2年生の算数ができるように計画されています。
それが、順番に積み重なっていくのです。
さて、今回のテストですが、1年生の問題は、「いくつといくつ」「くりあがりのあるたし算」「くりさがりのあるひき算」の3ページです。
たし算とひき算は100問ずつです。そして、2年生の最初のプリントは、九九100問。
普通に考えれば、2年生よりも1年生の学習の方が楽です。
ですから、たし算、ひき算は九九より早くできて当たり前。
でも、実際は違っています。
九九はほとんどの子が1分前後でできました。
書くスピードも考えると、1問1秒以内にできています。
ところが、1年生のたし算、ひき算は、その2倍3倍の時間がかかっています。
中には、5分かけても、ひき算の100問をやりきれない子もいました。
これには理由があります。
それは、練習量の違いです。
九九はどの子も徹底的に練習しています。
お風呂の中でお父さんやお母さんといっしょに唱えたという思い出のある子はたくさんいます。
しかし、1年生のたし算、ひき算の練習は、九九ほど、たくさん練習をしていないのではないでしょうか。
九九はもちろん大切ですが、1年生のたし算、ひき算を速く正しく計算するという技術も、小学校の間は、算数ができるようになるための大切なアイテムです。
たし算、ひき算を九九並みのスピードでできるようになることで、算数が楽になり、好きになる子も多いのです。
4月の段階で、「くりあがりのあるたし算」「くりさがりのあるひき算」「あまりの出る九九のわり算」はカードを使って1問1秒以内で答えられるようにしておきなさい、といっておきました。
それ以後、本気でそれに取り組んだ子もいるし、そのこと自体を忘れていた子もいます。
その差は非常に大きいでしょう。
でも、まだ夏休みがあります。
6年生の夏休みは、たし算、ひき算を鍛える最後のチャンスです。
中学生が小学校1年生の計算カードを真剣に見ている姿は、さすがにかっこわるいですから。