親+1
オリンピックなどの選手に声援を送る親の姿を見ると、うちの子も、あんなふうに活躍してくれればいいなあと思いますが、なかなかとんびはたかを産みません。
高望みをすることで、子どもに嫌な思いをさせることも考えられるので、へんな高望みは絶対にしない、と、心の中で誓っています。
高望みをしないことも含めて、自分の子どもを育てる上で、私は3つのことに気をつけてきました。
1 親にされて嫌だったことは、絶対子どもにしない。
自分が子供の頃、親からされて嫌だったことは、絶対に子どもにしないということです。
私の親は「人に迷惑をかけない」ということさえ守っていれば、他のことには、うるさい親ではなかったので、「親にされて嫌なこと」というのは、特にありません。
ただ、中学校卒業の時に、父から、普通高校へ進学することに反対されました。
大学へ行かせるお金はないから、工業高校を卒業して就職してくれと言われました。
ですから、子どもの進路については、とにかく反対しないようにしようと思いました。
2 親にしてもらって、よかったことは全部する。
一度は、普通高校への進学を反対した父ですが、先生方と母が説得してれくて、私は普通高校へ行ける事になりました。
それが決まってからの父は、猛烈に働いてくれました。
父も母も1日中工場で働き、父は、夜中も日曜日も他の所へアルバイトに行っていました。そのおかげで今の私がいます。
家はひどく貧乏なのに、経済的なことを心配せずに勉強することができました。
娘と息子にも同じようにしてやりたいと思って、私もがんばって働きました。
3 自分がやりたくてもできなかったものをひとつだけ選んで、やらせる。(親+1)
自分を振り返ると、小さな頃からやっておけばよかったと思うことがたくさんあります。
自分の子どもには全部やらせてみたいと思ってしまいますが、それではパンクしてしまうでしょう。
でも、親の人生より、ステップアップさせたいとは思います。
そこで、自分が悔やんでいることの中から、一つだけを選んで子どもにやらせたいと思いました。
これは子どもの意思に関係なく、です。
私の場合は、ピアノでした。小さな頃、ピアノを習いたいと親に言ったのですが、貧乏だから無理だと言われました。
今でもピアノが弾ければよかったと思う場面にたくさん出会います。
それで、娘にも息子も、無理やりピアノ教室に通わせました。
結局、二人とも、途中で自分のやりたいことを見つけ、ピアノの練習は中断しましたが、大人になってから、途中でやめたことを少し悔やんでいるようです。
この3点について、お父さんとお母さんがじっくりと話し合うことは、とても重要です。
互いに、この3点について書いたものを見せ合うところから、夫婦の会話を始めてみませんか。
互いに新鮮な発見があるかも知れません。
それはともかく、お父さんとお母さんの子育てについての考え方が一致すれば、子どもはまっすぐ育ちます。
どう育てればいいかわからない、という相談を受けることがありますが、子どもの人生の師匠は、親です。
自分の人生を振り返って、この3点に気をつければ、お子さんは素晴らしい人になります。
お父さん、お母さん、自信を持ってください。
お父さんも、お母さんも素敵な人生をこれまで歩んできたのです。
こうして、数十年生きて、子どもを授かるなんて、最高の人生なのですから。
読者の方の感想***************
息子と二人の娘に、私がやりたくてもできなかったピアノをやらせていたところ、中学生だった娘に「これ(だけ)は感謝してる」と言われました。
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欲張り過ぎなかった「プラス1」、大成功ですね。