私を先に撃って
この事件はご存知ですか。アメリカで、学校に侵入した銃を持つ変質者に子供が言った言葉です。
彼女は自分より年下の子供たちを守るために犯人に向かって「私を先に撃って」と言い、殺されました。
この事件の背景には、宗教のこととかいろいろ難しい問題があるのですが、私がいちばん大事だと感じたのは、人間は環境によって作られてしまう、ということです。
犯人の変質者と、この少女、おぎゃあといいながら生まれた瞬間から、どういう人間になるか決まっていたのでしょうか。
もし、生まれた場所が逆だったら、育った環境が逆だったら、2人とも全く違った人に育っていたのではないでしょうか。
ここで言う環境とは、まわりにいる大人のことです。
子供は大人の行動を見て、大人の言うことを耳にして、時には諭され、時には強制されて育っていきます。
そこで一人の人間として完成していきます。
どんなに完璧な教育システムがあっても、それを扱う大人の生き方そのものがそこに出てしまいますから、子供はそれにしたがって育つのです。
そう考えると、子育てに大事なのは、細かい教育技術ではなく、大人が自分自身の生き方を振り返り、子供がこうあってほしいという生き方を自分自身がしていくことだ、ということになります。
こういう言い方をすると、難しく面倒なことに思えますか。
いいえ、この「よい子」を読んでくれているお父さん、お母さんにとっては、さほど難しく面倒なことではありません。
なぜなら、心から自分の子どもを愛しているから、この本やメルマガを読もうとしてくれているのですから。
子供も自分も愛して生きる。
教育というのはこれだけで、本当は充分なのだと思えてきました。