よい子って?
運動会が終わりました。5年生、6年生は、係の仕事を1日中、がんばり続け、最後の種目、組み体操も立派にやり遂げました。
組み体操の時、肩車の下になったA君は、自分が立ち上がる時に、同じく肩車の下になった隣りのC君の腕を、ぐっとつかんで引っ張り上げました。
C君は、練習の時、時々上手に立ち上がれないことがあったのです。
大人でも難しいことです。
用具係のB君は、重い道具を抱えて、グランドの真ん中を全力で走っていました。
次の種目の開始が遅れないように、前の種目の用具を片付けていたのです。
そのスピードは、彼が徒競走に出た時よりも速く見えました。
職員室で話題になる「よい子」は、テストで百点を取る子ではありません。
A君やB君のような子です。
学校は勉強することが第一の目的なので、「勉強のできる子がよい子だと先生は思っている」と思っていらっしゃる方がいますが、それは違います。
国語や算数の勉強がよくわかる子がいれば、「よい子だなあ」と思うのではなく、この教え方でよかったのだ、授業研究をしっかりやってよかったなあ、と思います。
勉強がよくわからない子がいれば、「だめな子だなあ」と思うのではなく、どういう教え方をすれば、この子は勉強ができるようになるだろう、もっと授業研究をしなくては…、と思うのが、学校の先生の考えです。
国語や算数は、先生ががんばれば、子ども達の力を伸ばせます。
でも、人間としての品格は、学校の道徳の授業だけではどうにもならないと思います。
ですから、
自分の役割がわかって、まじめに活動する子、
あきらめないで、努力を続ける子、
自分だって大変だろうに人の手助けをする子、
こんな子どもの姿を見ると、本当に感動します。
こういう子には、いくつか共通点があることに気づきました。
・家の仕事(家事の手伝いなど)をしっかりしている。
王子様、お姫様のように家庭で過ごしている子は、残念ながら、難しいです。
・友達にも大人にも楽しそうに話をする。
家でも、家族で楽しいおしゃべりをしているのだと思います。
・友達のよいところをたくさん見つけられる。
お父さん、お母さんの「よいところ見つけ」の習慣が、その子にも身に付いているのでしょう。
小学校の国語や算数の勉強は、ちょっとしたこつをつかみ、学校でまじめに先生の話を聞いていれば、みんなできるようになります。
でも、子どもの品格を育てるのは、まわりのすべての大人の力です。