子育てこそ、最高の修業
小学生の多くは、引き続き、自宅から、今の友達と同じ中学校に行くので、卒業式の日を境に生活環境が大きく変わることは稀です。
ですから、卒業式といっても、中学校や高校の卒業式と比べて、小学校の卒業式は、親としても感慨の少ない物かもしれません。
でも、小学校の卒業式は、親としての卒業式でもあるのです。
先日、ネットで、こんな記事を見かけました。
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去年、出産で専業主婦になりました。
周りの育児サポートもあり、子供も可愛いし、幸せなのですが、ずっと家にいると、人と会うことも少ないし刺激も無くて、なんだか後退してしまいそうというか、人としての成長が止まってしまいそうで不安です。
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子育ては、本当に大変です。
ずっと家にいると、「社会」から隔離されたような感覚に陥ることも、よくわかります。
でも、人としての成長が止まってしまう、とまで、考えるのは、もったいないことです。
生まれてから10年間、子どもは、「人間とは何か」ということを、まざまざと見せつけてくれるからです。
「親になった人」が、そこから学ぶことは、どんな偉人から学ぶことより、奥深く、大事なことばかりです。
赤ちゃんは、発達した脳を、最初から持って生まれてきますが、「野性」の部分を沢山持っています。
その野性の部分が、たった10年間で「社会に生きる人」に変わっていく姿は、まるで人生のテキストです。
また、子どもに良い人生を歩ませたいと思ったら、親自身が「理想の生き方」を演じなければいけません。
子どもは、躾で育つのではなく、親の生き方そのもので育つからです。
よほどの聖人でない限り、子どもを育てる若い時期は、「わかっちゃいるけど、やめられない」ことが幾つもあるのが普通です。
でも、子どもには親以上の人生を歩ませてやりたいと思ったら、子どもが10歳を越えるまでは、「わかっちゃいるけど、やめられない」をやめなければ、子どもは親の思ったようには育たないのです。
子どもが、日々、育って行くのを見ながら人間の本質を知り、さらに親自身が理想の人間像を演じて生きる。
これ以上の人間修業はありません。
良い子に育てたい、親として頑張りたいと思えば思うほど、この修業はつらいものになりますが、その分、親自身も成長できるのです。
長い八十年の人生のうちの、たった十年。そう思って、ぜひ、がんばってほしいと思います。
お子さんの小学校の卒業式を迎えるお父さん、お母さん。
今まで、本当によく頑張って「理想の人物」を演じてこられました。
明日からは、少し、肩の力を抜いても、かまいません。
お子さんは、人生の中の、重要な一つの季節を終えたのですから。