100円で買えるもの

 A君は100円で、大好きなアイスクリームを買いました。B君は100円でノートを買いました。どちらも欲しかった物ですから、満足しました。

 これは、これでよいのですが、5年生くらいになったら、A君は「今」を、B君は「明日」を、100円で買ったのだということを、そろそろ教えてもよいかと思います。

 アイスクリームは食べている最中は幸せになります。食べなくては溶けてしまいますから、「今」を幸せにするアイテムです。

 ノートは、買っただけでは意味がありません。

これから時間をかけて、そこに書いていくことが幸せです。

もしかしたら、それを読み返すことで、一生の間、ずっと幸せが続くノートになるかもしれません。

 アイスクリームとノート。

 どちらの方が価値があるか、という話ではありません。

 「今、幸せな気持ちになることが、自分にとって、今、大事なのだ」

 「未来のためにこのお金を使うことが、今、大事なのだ」

 どちらも大事なことです。

 でも、もっと重要なのは、100円を「今」のために使ったのか、「未来」のために使ったのかということを自覚すること事です。

いつでも、それを自覚していくことで、100円は100円以上の価値を持ち、人生を幸せにしてくれるアイテムになります。

 10歳以下の子には、少し早いですが、5年生、6年生になったら、折に触れ、何度か、お子さんに話をしてみてください。

お金を使うことの意味について、少しずつ深く考えられる人になってくれると思います。


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