家訓を貼る
私の学級の黒板の上の壁には、たくさんのカードがはってあります。
毎年、年度末の「よい子」でお知らせする「教室の言葉」です。
日々、授業や生活の中で指導したことを、書いて貼っていきます。
少し気をつけて書いた年は、2学期が終わった段階で、三十くらいになります。
子どもたちが、これから人生を歩いていくために必要だと思う言葉を書いていますが、それは、同時に毎日の生活の「基準」となります。
「人も自分も幸せになる」…これは、私の学級では、叱る基準になっています。
例えば、トイレのサンダル。
(私の勤める学校では、トイレは専用サンダルを共用で使いますが、違う学校もあるようです)
トイレを出る時には、サンダルは次の人のために綺麗に揃えておくのが「常識」ですが、「常識」という言葉は、児童教育には不似合いです。
なぜ、みんなはそうするのか、なぜ、それが重要なことなのか、という理由が明確でなければ、教育はできません。
ここに「人も自分も幸せになる」という基準があれば、トイレを出る時に自分のすべきことは明確になり、できなかった場合に叱る方も叱られる方も、とりあえず納得ずくで話を進められます。
「自分から始める」…これは、私の学級では、褒める基準になっています。
自分から先に始める、一人で良いことを始めるのは、大事なことであるとともに、なかなか難しい事でもあります。
ですから、これができていたら、できるだけ褒めてやりたいと思っています。
こうして基準を明確にすることによって、導く方はぶれにくくなるし、導かれる方は行動に自信を持っていけるようになります。
新年を迎えたのを機会に、家にも、こうしたものを貼りだしてはいかがでしょう。
お父さん、お母さんの自筆だと、家訓のようで、かっこいいですね。
その家訓が、千年年先も通用するか、なんて、考える必要はありません。
違ったと思ったら、書き換えればいいのです。
ただ、大事なのは、書いた人が、毎日読み返して、これでいいのか、を自問し続けることです。