子どもは必ず伸びる

 この町の陸上大会は、市内の小学校の6年生が全員、選手として出場します。足の速い、遅いは関係なく、全員が出ます。

 普段から、スポーツ少年団などで走っている子にはたいした問題ではありませんが、走っていない子は、昔の子と違って、100m走りきることさえ大変な子も多く、フォームが無茶苦茶な子も、少なからずいます。

 せっかく陸上競技場で走るのですから、100m、かっこ悪くない姿でしっかりと走りきり、できるだけよい記録をとらせてやりたいと思うのが教員の気持ちです。

それで、どこの学校でも、その準備をします。

 私の勤める学校でも、1ヶ月前から、陸上競技練習の時間をほぼ毎日設けて練習を始めました。

 初日、「足が痛い、筋肉痛で歩けない」「もう走るのはいや」などと言っていた子も、1ヶ月経った今では、「100mのゴールまで全力で走れるようになった」「走るのが速くなったような気がする」「走るのが好きになった」と言い始めました。

 こんなふうに、子どもは、無理にでもやらせれば、必ず力は伸び、力がついたことを自覚すれば、それを好きになります。

なぜなら、子どもは、ただ食べて寝るだけで、骨の細胞が増える幸せな時期だからです。

そういう時期だから、食べたものの栄養を、脳、筋肉、神経に使うように鍛えれば、確実に力は伸びます。

でも、何もしないで食べて寝るだけでは、ただ背が高くなるだけで、余った栄養は贅肉になります。

 よく、「子どもの自主性に任せる」「それを好きになれば子どもは自然に取り組むから、興味を持つまで待つ」という人がいますが、私には逃げているようにしか聞こえません。

 自転車が楽しいのは、乗れなくて眺めている時でも、1mも進まず転んでいる時でもありません。

楽しいのは、自在に乗りこなせて、友達といっしょに自転車で遊びに行く時です。

運動も、楽器も、計算も、書写も同じ。楽しくて好きになるのは、自分ができるようになってからです。

 子どもの頃やり続け、できるようになってよかったと、親が思うことは、子どもが多少嫌がってもやらせた方がいいと思います。

子どもだから、やれば必ず伸びます。

そうして身につけたものは、人生のどこかで必ず自分自身を救うのです。

 子どもの頃身につけたものや新入社員の頃身につけたものが自分を救ってくれた経験が、沢山あると思います。

 お父さん、お母さんはいかがですか。

もし何かひとつでも思い当たったら、お父さん、お母さん、自信を持ってお子さんに、「これをしなさい」と言ってください。


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