障害の前で一押しする
先日、2年生の教室に行く機会がありました。
漢字の書写を、みんな一所懸命やっていました。
ところが残念なことに、誰一人として、鉛筆を正しく持てていませんでした。
指の先で持てていない、鉛筆が垂直に立っている、など、それぞれでしたが、ひどい持ち方ばかりという印象です。
そこで、書くのを中断させ、正しい持ち方を知っているかと尋ねました。
すると、子どもたちは、口々に、鉛筆の持ち方について話し出しました。
総合すると、ほとんどの子が、鉛筆の正しい持ち方を知っています。
「知っているのに、なぜ正しい持ち方で書かないの」と訊くと、「だって、この持ち方だと字が変になる」とのこと。
正しいとわかっていても、目の前に少しの障害があると、楽な道を選び正しいことをしなくなるというのは、すでにこの年齢で起こっていることなのですね。
そこで、「鉛筆の持ち方は、6年生になってから頑張ると1年かかっても上手にならないけど、2年生の今なら1週間でできるようになるんだよ」と話したところ、子どもたちは、「じゃあ、やってみるよ」と素直な返事。
現実に行われるかは、はなはだ疑問ではありますが、「じゃあ、がんばってね」と言っておきました。
担任ではないので、最後まで見届けられないのが残念です。
障害を避けて楽な道を行こうとするのは、生き物としての本能なのかもしれません。
でも、その障害を乗り越えれば、その苦労の何十倍もの良いことが待っているのです。
それを知っている大人が、励ましたり、叱ったりして、子どもに頑張らせることは、とても重要なことです。
あれも、これもと欲張っては、頑張らせ過ぎの逆効果も出てきますが、お父さん、お母さんが「これだけは」と思えることは、力づくでも、できるまで続けさせた方がよいと思います。
親として、それができるのは、長い人生の中で、たった十年です。
ためらわずに、がんばってくださいね。