ひざまずく、ていねいにたたむ
新しい出会いはどんな時もわくわくします。
長い間つきあっていると、「相手はそういうもの」だと思い込みがちで、相手を見て新しい発見はしにくくなります。
でも、出会ったばかりの時は、新しい発見ばかり。その第一印象が、後々(自分の中で)その人のキャラクター決定にも影響してきます。
3年生の担任になって1週間。
とても目立つ子もいれば、目だなない子もいます。
目立つ子ほど記憶に残るかというと、一概にそうとは言い切れません。
A子さん、B子さんは、二人ともおとなしい、目立たない子です。
でも、この一週間の間に、私に強烈な印象を残してくれました。
A子さんは、掃除の時、いつもひざまずいて、ていねいに床を拭きます。
A子さんがそうじ上手なのか、まだよくわかりません。
でも、何度か掃除をする姿を見ると、いつもひざまずいて、真剣な顔でていねいに床を拭いていました。
3年生で掃除好きの子というのは、なかなかいません。
なんとなくやっている、という子が多い中で、A子さんの姿は、私に強烈な印象を与えてくれました。
B子さんは、先週の給食の配膳台を拭く係になりました。
台を拭く様子を見ていたら、台拭きをていねいに洗い、ていねいにたたみ、すみからていねいに拭いていました。
6年生でも、なかなかない所作でした。
二人ともおとなしくて目立たない子ですが、ほんの一瞬のすてきな仕草で、強烈な印象を与えてくれたのです。
いつも家でやっていること、今までに教わって、まじめにやってきたことが、こういうところに現れたのでしょう。
何度も何度も繰り返しやって、体が覚えてしまったことが、その人の人間を表すのだと思います。
派手なことでなくてもいいし、目立つことでなくてもいいのです。
お父さん、お母さんが大事だと思うことを自信を持って、お子さんに繰り返し教え、身につけさせてください。
それが将来お子さんを幸せにするのだと思います。