数え切れないほど練習する
小学校の卒業式は、何度も何度も繰り返し同じことを練習する学校が多いと思います。
これについては、賛否両論あるようです。
「練習をやりすぎては、本番で感動をしなくなる」というのが、反対する人の大方の意見でしょう。
私も一時期、そう考えたこともありましたが、今は、徹底的に練習をする方に賛成です。
卒業式は、いろいろな所作を覚えるよい機会です。
何度も練習を繰り返すことで、これから役に立つ所作が、いくつも身に付きます。
この「身に付く」というのが重要です。
小学校の卒業式は、静まりかえった、とても緊張する場です。
緊張する場で、覚え立てのことをするのは、とても大変です。生半可にできるようになったことというのは、こういう時、なかなか上手にはできません。
ですから、その人は、その所作をすることに意識を集中しなければなりません。
人間というのは、一度に二つのことは考えられません。
正しい所作をすることに意識を向けざるを得ない人は、式の雰囲気を味わうことはできないのです。
自転車、自動車に乗り始めたばかりの人は、運転に気をとられ、サイクリングやドライブを楽しむことはできません。
技術が完全に身に付いていないスポーツ選手は、大事な試合で、試合の流れを読んだり、その試合そのものを楽しむことはできません。
ですから、私は子ども達に、そのことを伝え、「本番で自分が楽しむために徹底的に練習しなさい」と指導しています。
とはいえ、やはり練習を本番以上の緊張感でやりとおすのは、とても難しいことです。
静岡では、東海大地震に備え、繰り返し避難訓練を行ってきました。
本来なら、訓練するほど真剣さが高まっていくことが大切ですが、なかなか難しいことです。
繰り返し繰り返しする練習が命を救うのだとわかっていても、です。
今のうちに、お子さんに身につけさせたいことは何ですか。
親が大事だと思うことは、必ず子どもの人生に役立つことです。
ぜひ、数えきれないほど練習させてください。