静かな部屋

 教室で口うるさく言っていることがあります。

 「給食の食器を音を立てずに静かに置きなさい」

 そんな細かいことを…とおっしゃったお母さんもいましたが、これはとても重要だとある時気づきました。

 人はいらいらすると音を立てる、という話を聞いたことがあります。

たしかに落ち着かなくなると子どもは音を立て始めます。

指でとんとん机をたたいていることに自分で気づいていない大人も沢山います。

授業中、音を立て始める子は集中力をなくし、何かにいらいらしています。

 刑務官の人が講演で「言葉遣いを直すことで行動も直せる」という話をしていました。

 この二つを考え合わせ、静かな部屋を意識的に作り出したら、子どもの行動も変わるのかもしれないと思いました。

 観察していると、給食の食器を返す時に、無造作に投げるかのごとく置いていく子が大勢いるのに気づきました。

そこで、「音のしないように返しなさい」と言いました。

 初めに試みた学級では、音を立てない置き方になかなか慣れず、静かな部屋になるのにだいぶ時間がかかりました。

あわせて、入り口の戸や窓の開け閉めにも気をつけさせました。

 最初はなかなか身に付かず面倒がっていた子どもたちも次第に慣れ自然にできるようになった頃には、学級の中がとても落ち着いていました。

 今年のクラスは、一度言っただけで、それからずっとどの子も食器の置き方に気をつけているのがわかります。

今年は活気があるけど落ち着いた学級です。

 お子さんはどんな音を立てていますか。


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