あご、くちびるが動いていますか
私の勤めていた学校では、数年前から、3年生がミュージカルをみんなに見せることになっていました。
学年2学級ですので、隣りの先生と脚本を作って、音楽は他のミュージカルの曲を替え歌にしたり、私の作った歌を入れたりします。
台詞がはっきり、体育館の隅まで聞こえるようになってほしいと思い、まず、早口言葉の練習を始めました。
休み時間は元気なのに、いざと言う時、声が、もごもごと小さくなってしまう子が少なくないからです。
早口言葉を始めて、もごもごする原因がいくつかわかってきました。
一番大きな原因は、あごとくちびるにありました。
あごが下りていないので、「あ」「お」「え」の発音が区別がつかないほど、あいまいです。
あごをしっかりと下ろさないと、「あ」と「お」(あかさたな…、おこそとの…)の音がはっきりしなくなり、聞き取りにくい最近の不良言葉になります。
あごが動かない人は日頃の食事であごを動かしていないので、あごの筋肉が足りないそうです。
好き嫌いをしてかたい物や繊維質のものを食べないとあごが鍛えられず動きにくくなるのでしょう。
くちびるをしっかり動かさないと、「い」と「う」が聞き取りにくくなります。
くちびるが動かないということは顔の筋肉がおとろえているということです。
普段笑っていないと顔の筋肉は衰えます。
上下のくちびるがしっかりつかないので、「ま行」「ば行」「ぱ行」、そして「わ行」までがあいまいな発音になっている子が多いのもわかりました。
さらに大変なことに、この子達は、自分の発音の悪さに、全く気づいていませんでした。
しかし、その分、一度直すと、素直にきちんとやろうとするので、正しい発音はすぐにできるようになります。
ただし、これが「身につく」までには、まだ長い時間がかかりそうです。
発音の重要な要素に「舌」もありますが、舌は直すのにも大変な部分があってさらに根気がいります。
お子さんの発音はいかがですか。とりあえず、あごとくちびるの動きを見ながら、「あ」「お」「え」と「ま行」「ば行」「ぱ行」、そして「わ行」を聞いてみてください。
お子さんの話し方、はつらつとしていますか。
もし聞きりとにくいと感じたり、もっとはっきりしゃべらせたいと思ったら、食事と笑顔からやり直してみましょう。
明るく楽しい家族の食卓がお子さんの話し言葉を直し、お子さんの人生をよい方向に向かわせます。