「普段ではない」生活で発揮できる力
夏休みに、学校で、市の主催する防災キャンプが行われました。
1泊2日で、参加者は子どもを含めて120名ほど。
子ども達も地域のみなさんも、みんな協力的で率先して働き、いろいろな体験をしました。
このキャンプだけでも、避難所生活の大変さが少しだけわかりましたが、実際には、これが「終わりなく」続き、人数も体育館にあふれるほど多いので、そこに生まれるストレスは計り知れないと思いました。
確かな精神力をもって、「よい人」のまま避難所生活を送るみなさんを尊敬します。
このキャンプで、子どもの様子について気づいたことがあります。
1 すぐに寝付く子
消灯は9時でした。多くの子は眠れないようでしたが、しっかり眠って、朝、すっきりと起きてきた子もいます。
環境が変わると眠れないのは大人も同じですが、普段、規則正しく生活しているかどうかは、こういう時に差が出るようです。
2 もりもり食べる子
食事は、アルファ化米の炊き込みご飯やレトルトカレーに水。料理としてはおいしいものではありませんが、もりもり食べる子がたくさんいました。
どんな食べ物も感謝して食べるという習慣のある子はおいしそうに食べてくれるので、「給食班」の係の人がうれしそうです。
感謝して食べるという習慣は、毎日の食卓の積み重ねで育まれますね。
3 仕事のできる子
バケツリレーを黙々と続ける子がいました。
精神力と共に、やはり「ものを持つ」体力があるようです。薪割りでも上手な子とそうでない子がいました。
体験の少ない子は、薪割りの斧の刃を、自分の方に振り下ろしたり、力の加減ができなかったりして、とても危険でした。
上手に効率よく薪を割れるにこしたことはありませんが、まず何よりも危険のないように道具を使えるような経験はさせておきたいと思います。
4 リーダーシップのある6年生と従う下級生
子ども達は6〜8人ほどの異学年集団の班にわけました。
6年生はリーダーシップを発揮し、下級生も、よく言うことを聞いて素早い行動ができていました。
普段から、年齢の違う子どもの集団の中でもまれていることは、とても重要なのだと感じました。
5 「聴く力」のある子
キャンプ長の説明、班のリーダーの指示などを最後までしっかり聴いている子が多いと感じました。
話をしっかり聴ける子は、その後の行動力が違います。
話をしっかりと理解してから行動する子は、自分で判断してどんどん動きますが、話を最後まで聴けない子は、その後の行動も人に頼りっぱなしになります。
その他、いろいろなことに気づきましたが、子ども達、特に6年生は、人間として優秀だと感じました。
普段から「不便な環境で生き抜くための特別なトレーニング」をすることは難しいでしょうが、普段の生活の中のちょっとしたことを、非常時に予想されるこういったことに結びつけて考えると、お子さんの力も変わってくると思います。