墨を拭く
3年生の書写の授業には、初めて毛筆が入ってきます。
子どもたちは楽しみにしてくれていますが、授業は大変です。
今年も既に2回授業で扱いましたが、2回とも、墨をこぼして大騒ぎになりました。
机、バッグ、床、今日はとうとう教科書まで真っ黒け。
でも、こういう大変な状況だからこそ、よいことも起こります。
教科書を真っ黒けにして、机と床を墨だらけにした女の子のもとへ雑巾とバケツを持って駆けつけたのは、男女合わせて8名。休み時間になっても一所懸命拭き掃除を続けています。
3年生は、こうして友達の困難にすぐに気づく子、まだ気づかない子がいます。
それは、個人の成長の早さの違いもあるので仕方のないことです。
そういう中で、ちょうど真ん中と呼べる子がいます。
その場に行ったのだけれど、何もしない子。
その事件が気になっているのに、その場に行けない子、です。
それぞれにいろいろな事情(友達関係など)があるのですが、助けたいのにすぐに行動できないことの裏には、どうすればいいかわからない、自信がない、ということが考えられます。
これは、経験量の差です。
汚れた所を掃いたり、拭いたりすることを、体が覚えるくらいたくさん経験している子は、すぐにその場にやってきて、仕事を始めます。
家のお手伝いをたくさんする、家事を家族といっしょにする、というのは、こういうところで、「実力」を発揮します。