行く先を示す
卒業式など、体育館の行事の会場づくりをしたりすると、「よく気が付く子たちですね」とよく言われます。
私もクラスの子どもたちを見ていて、よく気づくし、自分で考えて動き出す子たちだなあと思います。
どうすれば、気づき、考え、行動する子になりますか、と、ときどき聞かれます。
「行く先を示す」ことも、その方法の一つです。教育現場では、「見通しをもたせる」などと言います。
最終的にどうなっていればいいのか、と、何のためにやるのか、誰のためにやるのかを、はっきりと子どもに示せば、そこへ行く道筋を子どもたちは考えるようになります。
2月に、新入生の保護者説明会の会場を、体育館に作りました。
全体の大まかな設計図を見せ、「初めて、この学校に来るお父さん、お母さんがいる」こと、「お父さん、お母さんたちは長い時間、説明を座ったまま聞く」ことを伝えました。
子どもたちは、それ以上の指示は受けずに、短い時間で会場設営を終わりました。
椅子の並べ方は、いつも自分たちが座る時よりも、幅を広くとり、大人でもゆったり座れるようになっていました。
もちろん、指示なしでも、仕上げの掃除をしていました。
こうして、完成のイメージと、誰のためにやるのかが理解できれば、多くの子は、気づき、考え、行動するようになります。
例えば、家庭のお手伝いで、自ら気づき、考え、行動する子になってほしいのなら、
1 好きな食べ物を作っていいから、買い物から片づけまで任せます。
2 予算は自由に使っていいので、家族が喜ぶメニューにしてください。
3 3品のおかずを〇〇円以内の予算で作りたいので、全部任せます。
と、行く先の条件のレベルを少しずつ上げていくと、子どもの力は、どんどんついていきます。