この1回

 家族旅行などの記念写真は、誰が撮っていますか。

お子さんにまかせたことはありますか。

 最近は、スマホやデジタルカメラが普通になってきました。

気軽にシャッターを押せるので、お子さんには「記録係」として働いてもらいやすいですね。

 写真に慣れてきたら、「レンズ付きフィルム」を渡すと、いいかもしれません。

フィルムは、取り直しがききません。

24枚撮りなら24回しかチャンスがないのです。

慎重にシャッターを押す必要があります。

 よい瞬間をとらえるには、たくさんシャッターが切れるスマホ、デジカメの方がよいでしょうが、失敗できないこの1回、という緊張感は、子どもの集中力を高め、それがいろいろな能力向上につながると思います。

 修学旅行の持ち物では、デジカメでは紛失した時に困るので、リスクの少ない「レンズ付きフィルム」だけを許可することが多いのですが、子供たちを見ていると、やたらにシャッターを切って、よい写真が1枚も撮れなかった子や、逆に慎重になりすぎて、ほとんど使わずに帰ってきてしまう子がいます。

 今の日本は、ものがありすぎて、チャンスはこの1回だけ、という場面に子どもたちが遭遇することは少なくなっています。

 人生のチャンスは、どの人にも平等に訪れると私は思っていますが、それを生かせない人はとても多いように思います。

 そういう人生のチャンスをつかめる人に育てるためにも、「この1回」を大事にし、それをものにできるような人になるトレーニングが、子どもの生活の中にないか、いつも気をつけてみて行きたいと思います。


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