小さな決断

 全校児童集会がありました。

集会が終わると、6年生のアナウンスが流れます。

「担任の先生の指示に従って、教室にもどってください。」

3年生担任の私は、何も指示しません。

子どもたちは、周りを見て、順番を守って、静かに教室に向かっていきました。

 何でもない、簡単なことのように思えますが、自分で判断して全校児童の中で間違いのないように行動するというのは、子どもにとって、なかなか難しいことです。

 4月の最初から、私は指示を出しませんでした。

高学年も含めて他の学級が担任の先生の指示で退場していく中、子どもたちは、困っていました。

困った子どもたちがとった方法は、隣りのクラスの先生に聞くことでした。

 「隣りの先生に聞くという方法を自分たちで選んだのは、えらい。」

 教室に戻ってきた彼らにはこう言いました。

 それから、何度か同様のことがあり、最近では、誰にも相談しないで、自分たちで動き出す決断ができるようになりました。

 子どもが大きくなったら、立派な一人前の大人になってほしいと思います。

 一人前として認められるには、いろいろな力が必要ですが、「責任を持つ」という力はとても重要です。

 責任を持つ力は、「自分でやる」と、自分で決断できるところから始まります。

 どんな力も同じですが、一朝一夕で身につく力はありません。

 決断する力も同じです。

小さな頃から、小さな決断を繰り返し、成功したり、失敗したりしながら、少しずつ身につけていくことが大事です。

 小さな成功の積み重ねが自信になり、大きな力を生みます。

 たとえ失敗しても、14歳までの脳が経験する小さな失敗は、必ず心にプラスになるようにできています。

 自分の忙しさを理由に、子どもに指示をたくさん出して、活動をスムースにしようという気持ちが、以前はあったことが、今わかります。

 子育ての時期は、子育て以外でも、人生の中でいちばん忙しくて、いちばん時間が足りない時だというのは、経験上、私にもよくわかります。

そこを敢えて、子どもの小さな決断を待つゆとりを持つことも、ちょっとした子育てのこつなのかもしれません。

 小さな決断を、お子さんがするまで、ちょっとの間、待ってやってみませんか。

読者の方からのお便り***************************************

待つことが大切。そうですね、そうすべきなのはよくわかります。

しかしどこまで、いつまでまてばいいのやら、どう声かけすればいいのやら。

私の小4の娘は、これまで親がやりすぎてきたのか、ほんとのんびり屋です。

時間内にやるという能力が乏しく、何も言わなければ、いつまで待てばいいのやらという時が多いのです。

待つこと。

どこまで?いつまで?難しいです。

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 そうですね。実は、学校でもスケジュールがぎっしりで、本当はなかなか待ってはいられません。

毎日、チャンスはないかとうかがっています。みなさんのお家での成功例があったら、また教えてください。


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