時間を忘れたら本物

読者の方からのお便り**********************************

 我が子は夏休みの宿題は早く終わらせているみたいです。

 でも、宿題(勉強)をする日としない日の差があまりにありすぎるのでこんなんでいいのかなあと思います。
毎日ちょっとずつ、のほうが勉強する習慣、って考えるとそのほうがいいのではないかと思います。

 ガーっとまとめてやって帳尻が合えばそれでいいのでしょうか?

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 残念ながら、心配していらっしゃるとおりです。
「ガーっとまとめてやって帳尻」を合わせるようでは、やった分すべてが力にならず、無駄なことが多いでしょう。
子ども達には、「毎日少しずつ牛乳を飲むと栄養になるけど、一度にたくさん飲むと下痢をする」と言っています。

 夏休みに出された宿題を、とにかく全部やっておけばよい、というふうにしか考えていないということは、勉強を「仕方なく」やっているということです。

野菜嫌いの子が、しつけによって仕方なく野菜を食べているだけでは、大人になった時に野菜をとらない人になるでしょう。

 どんなことも同じですが、ここまでやったら「終われる」などと考えず、毎日、楽しく飽きずに夢中になってやり続けることが、身になるのです。

 とは言うものの、嬉々として勉強に取り組んでいない子を、だめな子だと責めるわけにもいきません。

今の自分を振り返ると、毎日目の前の仕事をすべて喜んで夢中になってやっているかというとそうでもないからです。

 私の仕事の場合でいうと「何をどんな風に教えるか」と考えたり実践したりする部分はとても楽しいのですが、それ以外の「やらされる仕事」は、毎日気が重いものです。

 仕事すべてが楽しいという人生が理想ですが、なかなかそこにはたどり着けません。

 そう考えると、「仕方なく」でも、勉強を続けている子は、基本的にはよい子で、その中から、時々、夢中になって取り組んでいる学習があったら、ほめてやるべきだと思えてきます。

 もし、いつになく、時間を忘れて勉強している姿を見たら、ほめまくってください。


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