カウントダウンするだけで
3年生の理科の授業に行きました。
最初は、私が教室に入っただけで、さっと席に着き、神妙な顔でしっかりと座っていましたが、慣れてくると、私が教室に入っても、おしゃべりをしたり、授業の準備が机の上にできていなかったり、中には席を離れたままの子も出てきました。
そこで、教室に入るとすぐに、「10、9、8、…」と数え始めました。
すると、子どもたちは、良い姿勢になったり、あわてて教科書やノートを出したり、すごい勢いで自分の席をめざして走り出しました。
「10秒以内に席に着かないと…」というような約束をしたわけではありません。
ただ、いきなり、「10、9、8、…」と数え始めただけです。
「席に着きなさい」「教科書を出しなさい」「良い姿勢をしなさい」…、子どもたちにしてほしいことは沢山あります。
それで、つい、いちいち、具体的に指示を出してしまいがちになります。
しかし、子どもたちは、今、何をしなければいけないのか全くわからないのではありません。
わかっているけれど、それをしていないことが多いのです。
カウントダウンは一つの例ですが、こんなふうに、「自分で分かっているのだから、しっかりやりなさい」という合図は、子どもたちと相談しながらでも、いろいろ考えられます。
わかっていないことは、丁寧に教えなければいけませんが、わかっているはずのことに対しては、小さなヒントを与えるだけでいいのだと思います。
何が分かっていて、何がわかっていないのかは、子どもを見ていれば、すぐに分析できます。
やはり子育てに重要なのは、観ることと聴くことなのかもしれません。