才能を褒める
つい最近まで、子どもを褒める時、「よくがんばった。がんばったから、こんなにできたのだね。」と言うように心がけていました。
大人になっても、努力をする大切さを忘れないでいてほしかったからです。
しかし、最近、これは100%正しいとは言えないかもしれないと考えるようになりました。
3、4年生を指導していて、「がんばったから、できたね」と言われた子より、「才能があるね」と言われた子の方が、やる気が長続きするように見えてきたからです。
人は、「好きなこと」なら頑張りがききます。
ただ、この「好き」というのが曲者です。そ
れをどうして好きになったのでしょうか。
答えは簡単です。
それが「できる」からです。
自分が泳げないのに「水泳の授業が大好き」という子はいません
。「算数の授業が好き」という子は、「自分は算数ができる」と自分で思っている子だけです。
「自分はこれが得意だ」
「得意だということが周りから認められている」
「自分には才能がある」
こんなふうに思った時、人はそれを好きになり、好きだから、持っている力以上の努力も可能となるのではないでしょうか。
小学生を見ていると、10歳までに心の中に入ったことは、「一生もの」になるようです。
そう考えると、10歳までは、「努力したので、できたね」よりも「才能があるね」という褒め言葉の方が、この先の人生で長く効力が続くような気がします。
10歳までは「天才だね」、10歳以降は「努力するって素晴らしいことだね」と、少しずつ褒め言葉を変えていくのが、有効かもしれません。
10歳までのお子さんに「がんばったね」と言っていたことを、一度「天才だね」と言ってみてください。