治療と予防

 廊下を走っている子を叱るのは、医療に例えると「治療」です。

医療で大事なのは、治療よりも予防だとおっしゃるドクターは多いと思います。

子育て、教育でも同じです。

この場合、「予防」にあたるのは、廊下を走ってはいけないと何度も繰り返して言い続けることです。

周りの大人が大事だと思うことを、予め、しっかりと教えていれば、例え「発病」することはあっても、大事には至りません。

いくら予防しても、発症0が難しいのは、医療も子育ても同じですが。

 廊下を走らない、すなわち、公共の場では、その場にあった行動をするというのは、とても大事なことなので、ぜひ、身につけさせたいことです。

 10歳までの子には、所作として身につけさせるべきです。

 方法は簡単です。

子どもが10歳になるまで、親が、公共の場で、自分の行動に細心の注意を払えば、子どもは、それに従います。

10歳までの10年間に、徹底的にやれば、子どもたちは完璧に正しい所作を身につけます。

時には、「お父さん、お母さん、こういう場所では、それはいけないことでしょ」とたしなめられるくらいになってしまいます。

 その10年間、親は理想の人間を演じましょう。

多少、苦しい(^o^)こともありますが、人生80年のうちの、たった10年のことです。

 10歳までにうまくできなかった場合は、「理由」で説得し、子どもの心を耕すことが大事です。

10歳を越えた子に、闇雲に叱っても、「治療」はできません。

10歳を越えたら、抗生物質を与えて(その場で厳しく叱って)、直近の原因を消しても、根本の問題は解決しないのです。

食事をはじめとする生活習慣を変え(正しい行動には、きちんとした理由があることを納得できるように伝え)、じっくりと体質を改善することが必要です。

 10歳を越えても廊下を走っている子を「完全に治す」のは、時間のかかる大変なことですが、子どもたちは、まだ、変わることができるので、あきらめてはいけません。

 でも、その前に覚えておいてほしいのは、10歳までの子が正しい所作を一度身につければ、一生ものになるということです。

 子育ても、治療より予防、そして正しい食事で体質を改善するように、毎日続けることが大事です。


 『速効よい子』へ戻る   ホームページ『季節の小箱』へ戻る