謝罪と償い

 Aさんが、悪いことをしました。

家の近くで、農家の人の仕事の邪魔をしてしまったのです。

Aさんは、そのことで、農家の人の幸せを邪魔し、家族や学校、クラスの名誉を傷つけるなど、多くの人に迷惑をかけました。

これは、「罪を犯した」ということです。

 罪を犯したら、謝罪し、罪を償わなければいけません。

大人だと、謝罪し、賠償金を払い、服役して罪を償います。

でも、小学生は、それができません。

でも、謝罪し、罪を償う必要はあります。

 そのために、Aさんは二つのことをします。

 一つ目は、頭を下げ、心から謝ることです。

 農家の人には「邪魔をしてごめんなさい」、

 家族やクラスの友達や校長先生には「名誉を汚してごめんなさい」、

 解決のために力を貸してくださったみなさんには「ありがとうございます」。

 一つ一つ、ていねいに頭を下げ、心を籠め、謝罪と感謝を伝えます。

 二つ目は、「よいこと」をすることです。

 何日、何年かければ、罪が償えるか、わかりませんが、毎日、少しずつでもよいので、良いことを積み重ねていくのです。

そうすることが、「もう、二度と悪いことはしない」という証明になります。

さらに良い行動を重ねていけば、家族や学校は名誉を回復するばかりか、よい家族、良い学校として称賛される日も来ます。

 これが、私の考える「小学生の謝罪と償い」です。

 「たかが小学生のやったこと」「誰だって身に覚えはあること」だから大目に見ようという意見も聞きますが、私は反対です。

しかし、だからといって、「反省しなさい」と厳しく叱るだけでは、「明日」は、やってきません。

悪いことをしてしまった時こそ、「人も自分も幸せになる」ことがどういうことか、また、それがどれほど大事なことかを知る、大きな機会だからです。

 お子さんが、もし「悪いこと」をしてしまったら、どんな対処をしようと思っていらっしゃいますか。

また、よい例があったら、教えてください。


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