毎日見る、ときどき見る

 先日、子どもたちは田植えの体験をさせてもらいました。

「思っていたよりも大変」だったそうです。これに気づいただけでも、田んぼに育つ稲の見方はかわるでしょう。

 そこにあるものは同じでも、観方が変われば、世界は変わります。

 田植え体験が終わってから、毎日、子どもたちに田んぼの様子を見てレポートを書くように言いました。

 といっても、全員が毎日見に行くわけではありません。

男子と女子が、クラスに16名ずついるので、毎日それぞれ一人ずつ順番に行きます。

男女それぞれのレポートは、稲の日記として廊下に掲示していきます。

男女それぞれの日記を作らせているのは、ライバルがいると途中で手を抜きにくくなるからです。

 全員に毎日書かせず順番に書かせたのは、毎日見ても、昨日との違いがわかりにくいからです。

毎日、観察するのは大事なことですが、レポートを書くのは難しいと思います。

でも、約3週間後に回ってくる当番制なら、稲の様子の違いはよくわかります。

 子どもの成長も、これに似ています。

 高学年になるほど、毎日の成長はつかみにくくなります。

成長の速度が遅くなるためです。

ですから、毎日、一緒にいると、子どもが成長したことに気づかないことも多くなります。

 かといって、稲のように3週間に1度子供に会うというわけにはいきません。

 そこで大事なのは、子どもがやったことを、ある程度の期間、残しておくことです。

 小学生は、4月からの1年分のノートやテストを残しておくのがよいと思います。

毎日見ているだけでは小言しか出てこない、という場合も、少し前の様子と比べたら大きく進歩しているのがわかり、お子さんに向ける顔も、怒り顔から笑顔に変わるのではないでしょうか。

 ノートが終わると、すぐに捨ててしまうことも少なくないようですが、以前に比べて、わが子はこんなに成長したのか、ということがわかる資料を捨ててしまうのは、とてももったいないことです。

 テストも1年間残しておくことが大事です。テストは最も優秀な参考書だからです。

1年のテストを振り返るだけで、お子さんがどのくらい学習を習得しているかが簡単にわかります。

 今日は、少し前のお子さんを思い出して、進歩しているところを褒めてやってください。


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